だっちゃん近影


大蔵高丸、これが最後かも  2009/12/08


 今のうちに、まだなんとか歩けるうちに、山に連れて行ってやりたい、
うちの人間達はずっと思ってたんだけど、なかなか行けなかった。

ふと気が付いたら、もうじき湯の沢峠までの林道が閉鎖になる。
湯の沢峠から大蔵高丸までならそんなに時間もかからないし、今ならまだ行けるかも?
あそこは眺めが良かったから、もう一度行きたいと思いながら、
行こうと思った時は林道が閉鎖されてたりで、行けなかった。

じゃあ、行ってみようか?

って、事になり、急遽出発。



途中休んだ初狩PA。
綺麗に富士山が見えて気分が盛り上がる。

  湯の沢峠までの林道は、けっこうな雪で吃驚!
去年の同じ時期に石丸峠から狼平に行った時は、ぜんぜん雪が無かったし、
3年前に湯の沢峠に行った時も雪は無かったし、
うかつにも雪の事は全く考えて無かった。油断したね。

慎重に、ゆっくり進んだよ。
後ろから追いついて来た車があったので、脇によけて、先に行って貰った。
だっちゃんが酔わないようにゆっくり進むから、後ろの車には迷惑だろうから、いつも先に行って貰うんだ。



湯ノ沢峠の駐車スペースに車を停めて、
8時15分、いざ出発。
最近では珍しく、だっちゃんのしっぽが上がってる!
気分が盛り上がってるよ。


その意気や良し!

だけど、年は争えないね。
歩き出してすぐに登場する階段、
一段づつがけっこうな高さがある。
2年前ならあっさり飛び上がった階段、今じゃもう無理。


おまけにつるつるに凍ってる。

って事で、持ち上げて貰った。


けっこうな雪だったね。
もっと楽なとこにしてやれば良かった、ちょっと可哀想だったかな、って人間達は言ってた。


足下が滑るとこもあるけど、元気に歩くよ。


こうやってると、まだまだそんな年には見えない?かも?


湯の沢峠のお花畑に着いた。

2年半前、歩いた道が見える。
あの時は元気だったなー!
疲れ知らずだったような。


今日はとっても良い天気。
風もほとんどないし、暖かいよ。


「この景色が見られたから、もういいよ。
だっちゃんも無理しなくて良いよ。」って言われたけど、


もうちょっと頑張る。
まだまだ大丈夫だもん。


こういうとこはまだ歩きやすいんだけど、


霜でガリンガリンに凍ってるとこは、足の裏が痛いし、歩きにくいよ。


でも頑張って歩く。


下がツルツルに凍ってる。
しかも下り。
今のだっちゃんには、こんなくらいでも大変だったりする。
年は取りたくないもんだわ。


それでも、フカフカの雪のとこは、張り切って先頭で進むんだ。


富士山が見えた!


今日もとっても綺麗!!


9時17分、大蔵高丸到着。

3年前は30分で来た道を、今日は1時間かけて来た。


でもま、15歳半をはるかに過ぎた犬が、ここまで歩いて来たんだもん、それだけでも、良いとするよ。


少し下った所で、ご飯を食べて、ゆっくりするよ。


早く食べよう!


ここもとても眺めが良い。


3年前は、ここからまだまだ先を目指して、大谷ヶ丸まで行ったけど、


今日はここだけ。
景色を眺めながら、のんびり過ごすよ。


富士山の手前の山々を見ながら、あの山もあの山も歩いたね、今となると、よく歩いたもんだね、って、懐かしんだ。


少し風が出て来たので、岩陰に避難。

なぜか真面目な顔をしてるだっちゃん。


ご飯は食べたけど、まだまだ美味しい物を貰う。


山で食べると、なんでも美味しいんだ。


同じような写真ばっかりだけど、
もう見られなくなるから、


思い出にいっぱい載せるよ。


人間達は写真を写してるから、
だっちゃんは少し休んでるよ。


見てると、だんだん変わって行くから、それもまた綺麗で、見飽きないらしい


だっちゃんは退屈。


名残惜しいけど、そろそろ戻る事に。
11時15分、出発。


最後にもう一度、富士山の前で記念写真にチャレンジするも、
だっちゃんが飽きてうろつくし、失敗。


やっぱり下りは大変。
弱った後ろ足には、下りはけっこう大変なんだ。


おまけに下が凍ってツルツルのところは、おっかなびっくりになっちゃったよ。
腰を支えて貰って下るだっちゃん。


休み休み、下った。


どうにも大変なとこは、持って降りられた。


だっちゃんがなかなか歩き出さないと、
「じゃあ、抱っこして降りてあげるよ。」って親分が脅す。


そう言われると、しぶしぶ歩き出す。


だって、親分にはもたれたくないよ。
転んだり、落とされたりするんだもん。
親分は信用できないんだ。


もうすぐ駐車場に戻ってしまう。

まだまだ帰りたく無いよ。
もっと山の中にいたい。


「まあ、そう言わずに、今日はもう戻ろう。
また今度どっかの山に行こう。」

今度はあるのかな?


12時30分、湯の沢峠。
ゆっくり休み休みだったから、帰り道は、1時間10分もかかった!

 この後の駐車場に戻る階段、さっきは持ち上げて貰った階段、
だっちゃんは、自分で降りようとしたんだ。

だけど、ツルツルに凍ってたんで、降りる間も無く、ツルーー、と滑って、
下の段まで落ちてしまった。

大笑いされてしまったよ。


駐車場に戻ったら、朝の林道で先に行って貰った車の方が、白谷丸方向から戻って来られた。
その方も前に柴犬を飼われていて、17歳まで居たんだって。
まだまだ大丈夫だよ、なんて、励まして貰った。



3年前には、同じ道を大谷ヶ丸まで行けたのに、
2年前には、滝子山から大谷ヶ丸まで行けたのに、
1年前でも、石丸峠から狼平まで行けたのに、

犬の1年、1年は、ほんとに大きな大きな違いだね。


3年前の記憶では、大蔵高丸まではすぐだったし、たいした登りでも無かったように思ってたんだけど、
楽々歩いたくらいにしか覚えて無かったんだけど、

この年になっての3年前じゃ大違いだった。
3年前はまだ元気いっぱいだったし、3年前に楽々の道が、
今じゃ、こんなに急だったっけ?!って思うほどだった。


でも、歩いたのは、ほんの短い距離だったけど、
ゆっくりのんびり、綺麗な景色を眺めて、美味しい物を食べて、楽しかったよ。


うちの人間達は、「きっと、最後の山歩きになるだろうから、
もっと緩やかな、ふかふかの落ち葉の道を歩かせてやりたかったね、
それだけが心残りだ。」って、言ってた。

もう一度?
行けるかな?

さすがにもう無理だろうなー
大好きな、大好きな山、もう歩けないんだなー


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