犬 の 詫 び 状

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163.普通に暮らす
2010/03/23
普通に暮らす 

 さすがにこの年になると、普通に暮らす、ただそれだけの事さえも、難しくなる。

それでもなんとか、人の手を借りながら、
けっこう普通に、犬らしく、暮らしてるかも。

うちの人間達は、

「あと少しだと思えばこそ、思い残す事がないように、色々やってやってるのに、
居心地がいいのか、はたまたつけこまれてるのか、
あと少し、と思ってから、どんだけ経つか?
あと少し、あと少し、って、あと少しが、いつまでも続く。」ってぶつくさ言ってる。


今回は、寝てる写真ばっかだよ。
どこも行かないと、写すのも忘れちゃうし。

老犬の日常は、こんなもんかも。
気持ちに体がついて行かない

 益々後ろ足が弱っただっちゃん。
今となると、12月に山に行けたのが奇跡のようだ。

補助具で後ろ足をサポートして貰って、ゆっくり歩いてる。
それでもまだ、朝晩散歩に行く。

強い風が、びゅーん!って来たら、よろっとなって、
酷い時は、べしゃって転ぶ。

何も無いのに、何かの拍子に、べしゃって潰れる。

それでも、まだ、朝晩、一時間づつ散歩する。
距離は短いけど、若い頃の、半分どころか、三分の一にも満たない距離だけど、

気力だけはしっかりある。
毎日しっかり、自分が決めたコースを最後まで歩きたい。

うちの人間達は、
「もう無理だって、年を考えろ。この半分でも十分だ。
つきあうこっちの身にもなれ。」って言うんだけど、

だっちゃんは犬だもん、年を考える事なんかないよ。
いつも最後まで歩く気充分なのに、

時々、「えーい、面倒だ、今日はもう持って帰っちゃえ。」
って、運ばれてしまう時がある。

年を取ると子供に返る?! 

 毎日朝晩散歩するだっちゃんは、今でもトイレは全部外でする。
でも、後ろ足が弱ってしまったから、トイレのポーズでふんばれない。

うちの人間達は気が短いので、だっちゃんがトイレを済ますまで、ゆっくり待てない。
待てないと、中途半端なまま戻って、次の散歩まで待つ事になる。

だっちゃんは年を取っても、普段は漏らす事はまず無くて、ちゃんと散歩まで待てるんだけど、
いざ、散歩の時間になって、準備を始めると、そわそわして、
待ってる間に漏らしてしまう、なんて事もあった。

そんな時は、「ああー、もうちょっとだったのにー、惜しかったー」なんて、嘆かれてしまってたんだけど、

最近は、全く漏らさない。

何故かと言うと、


うんちは前回の詫び状にも書いたように、
散歩の時に、毎回お尻を刺激されて、出してしまう。
ふんばりやすくささえて貰って、お尻の穴の下部分を刺激されると、すぐ出ちゃうんだ。
子犬と一緒だね。
うちの人間達は、「うんこ出せ出せのツボをついた、お前はもう出している。」って言いながらやってくれる。

しっこも、しっこのポーズになるように支えて貰ってする。
これは、タイミングが難しいんだけど、
なんとか、うまく行ってるよ。

そんなこんなで、この3ヶ月以上、だっちゃんはお漏らし無し。
パーフェクトだ。
 
またまた抜け毛の季節

 相変わらずカイカイのだっちゃん。
毎年恒例ながら、2月くらいから酷くなる。
2月くらいから花粉が飛び出すし、毛が抜けだすし、のダブルパンチ。

今年は早くから毛が抜けないように、考えてみた。
毛が抜けないように、ブラシもかけず、シャンプーもせず。
まあ、早い話、ただ単に手抜きなだけ、なんだけど。

いつも、抜け出したら、せっせとブラシをかけて、シャンプーして、
浮いてきた毛はさっさと取ってしまう、という感じだったけど、

今年の冬は寒いし、だっちゃんも高齢だし、
できるだけ体に毛が残ってる方が暖かいだろうし、
シャンプーなんかもう一人じゃ出来ないし、ブラシまでもう手がまわらないし、

なんて感じに、単に面倒でそのままだったんだけど、
今のところ、そう酷くなっていない。

この後、毛が抜けると同時進行で、またまた酷くなるのかな。
またまた目の周りがカビカビになってきた。
ガビガビを取ると、毛が抜けて血がにじむ。
今度はあまり酷くならなきゃいいけど。。。
正しい食事姿勢 

 犬にとっての正しい食事姿勢は、立って食べる、って事だよね。
オオカミだってそうだし。
獲物を捕った後で、お座りして食べるオオカミだの、伏せて食べるオオカミだの聞いた事はないよね。
って事は、立って食べるのが一番、胃腸に良い、って事なんだろうか?

今年になって、だっちゃんの後ろ足が益々弱って、
ご飯の間でさえ、立っていられなくなって来た。

一生懸命食べているうちに、だんだん後ろ足がつぶれていき、
しまいにはお座りの姿勢になってしまう。

お座りの姿勢でも、ちゃんと食べられればいいんだけど、
お座りだと、食器の向こう側のご飯がうまく食べられない。
うまく食べられないと、すぐ諦めて、ご飯を残してしまう。

うちの人間は、もう立って食べるのは難しいんだろうから、伏せたままご飯を食べさせようか、
伏せて食べたら、ご飯を残さないかも。
とも思ったんだけど、でも、待てよ?

人間のお年寄りだって、ベッドで食べずに、テーブルで食べるのは大事な事だと言うし、
犬にとっての正しい食事姿勢は、立って食べる、なんだろうし、
伏せて食べるのは、精神的にも、胃腸の働きにも悪いんじゃないだろうか?


しょうがないから、って事で、

ご飯を食べている間、お尻を支えてくれるようになった。
  
老人の星?! 

 毎日散歩するだっちゃんは、同じように毎日散歩するお年寄り達に、よく声をかけて貰う。
「私も頑張るから、あんたも頑張りなねー」なんて。

そんなある日、会ったおばあさん。

「あんたはいいねー、支えて貰って、色々して貰って。
私は、なーんにもして貰えないよ、自力でしなきゃ、何も始まらない。
あんたは幸せだねー」

なんて、うらやましがられたよ。

毎日休まず歩くだっちゃんは、ある意味、老人の星になってるかも。
 
ひとつ許せば、ひとつつけこむ? 

 年を取って日々の決まりでも、出来ない事が出て来るのは仕方ない事だけど、
でも、犬の性格によっては、要注意だよ。

だっちゃんのような性格の犬は、一度でも何かをしなくても良かった、となったら、
それを既成事実とし、次からは当然のようにしなくなる。

その上、これがしなくて良いなら、これもしなくても良いかも?

なんて感じに、勝手に拡大解釈し、次々人間を試す。

結果、我が儘になり、言うことを聞かなくなる。

「ちょっとでも甘い顔を見せると、すぐ図に乗る!
年を取って出来なくなったから、しかたないからしなくても良い、としたのに。
ほんとにこいつは、ひとつ許せばひとつつけこむ。
ひとつどころか、ふたつもみっつもつけこむ。」って、怒る

なので、ギリギリまで、もう無理だこれは出来ない、となるまで、
若い頃と同じルールと習慣で暮らす事になってるんだけど、

これから先も、ひとつづつ、ひとつづつ、しなくて良い事が増えていくんだろうな。
 


お腹に薬をつけられた後、
暖かいから、のびー
カー子も元気!

 暖かい日が続いたせいか、足が軽く感じたんで、
「遠いから無理、止めよう。」、っていう人間を無視して引っ張り、
久しぶりに、すごい久しぶりに、公園の脇の道を通った。

カー子はもう忘れちゃったかな、って思ったんだけど、

バサバサバサー、って音が後ろからして、カー子達が飛んで来た。

ちゃんと覚えてるんだね。
カラスはほんとに、頭が良いね。

久々のおやつのキャッチ。
カー介はへたになってた。
何度目かで、ようやく受けられた。

カー子は最初から、ちゃんと受けられる。
やっぱり、カー子は凄い。

久々にカー子達に会って楽しかったけど、
その後の長い階段を降りるのは、とても大変だった。

「だから言ったのにー、無理するな、って言ったのにー」
ってぶつくさ言われがら、階段を下りた。
  
ついに薬ボールになった 

 薬をめぐって、様々な攻防を繰り広げていたんだけど、

だっちゃんはついに、どんな美味しい物にくるまれていても、
絶対に飲まない!!

と、なってしまった。

お魚はもちろん、お肉も、肉団子も、焼き鳥も、唐揚げも、全部いらない。
どんな美味しい物だって、その中には薬が入ってるんだもの。
もう、そんなのいらないよ。
絶対に飲まない事に決めたんだ!

だけど、そうは問屋が卸さない。

すっかり気分を害した親分は、
「わかった、それならそれでいい。
美味しい物をあれこれ考えなくて済んで、かえって楽だ。」

って、事で、少しのチーズで全部の薬をくるむようにして、コネコネコネ、
小さな小さなチーズボールを1個作り、
だっちゃんの口を開けて、喉の奥に押し込むようになってしまった。

ご飯の後は、薬が出るから、警戒してるんだけど、
気がゆるんだ隙をつかれて、無理矢理喉の奥に押し込まれてしまう。

「でかい薬を1個飲ませるのと一緒だ、この方が楽でいいわ。
だっちゃんもバカだねー、黙って美味しい物で飲んでたら良かったのに。」って言われてる。
 
 
来ると鬱陶しいけど、来ないと寂しい

 だっちゃんはもともと、食べる事に執着が無い犬だけど、
年を取って、益々そうなった。

自分のご飯はかろうじて食べてるけど、
それ以外に貰う物、人間のご飯の時やおやつの時は、
よっぽど好きな物しか食べなくなった。

おまけに、好んで食べてるから、って続けて貰うと、もう飽きて食べない。

人間達は、
「あれもいらない、これもいらない、
食べ物に執着が無い犬はつまらん。」って文句言う。

ちょっと前までは、いそいそ侍りに行った、宴会のお相伴も、
今では、お肉が焼ける良い匂いがする時じゃなきゃ、わざわざ行かない。
お肉が焼ける匂いでも、野菜と一緒に炒めるようなのは、パスする。

ちょっと前までは、なんでもだっちゃんの分も作ってたのに、
最近では諦めて、二人前だけ作るようになってしまった。


「つまんない犬だなー、
来ると鬱陶しいけど、来ないとこれまた寂しい。
やっかいな生き物だ。」って文句言ってる。
 
またまたパンツネタだ

 ここ3ヶ月、家の中では全く漏らさないだっちゃん、
パンツを塗らした事も全く無い。
パンツを履かなくても良いくらいなんだけど、やっぱりパンツを履いてる。

なんでかって言うと、散歩に行く前、玄関で色々支度も終わり、
さあ、出かけよう、立って、
となって、パンツを脱ぐその時、

パンツを脱ぐ刺激で、出ちゃう事があるんだ。
なので、パンツは外で脱ぐ事にしてるんだけど、
人間達は、「パンツを脱がすのが恐怖だ!」て言う。
散歩までしっかり我慢してたんだから、怒るわけにはいかないし。

こうなると、なかなかパンツを止められない。
でも逆に、パンツを履いてなきゃ脱ぐ事は無いんだから、履いてない方が良いのかも?

それと、お腹がカイカイで爛れてるんだけど、
爛れた部分に、敷物が当たったり擦れたりするよか、
毎日取り替えた清潔なパンツが当たる方が良いだろう、って事で、

パンツ研究を色々したけど、結局、
爛れた部分に楽なように緩めのパンツを、散歩の度に取り替える、という事になってる。

ある日、ドラッグストアで、入れ替えのため大セール!!
すばやくゲット!!


いつも写さなきゃ、と言ってるわりに、
すぐ忘れて、なかなか写せない。
いつも同じようなのばかり。
お腹は快調

 パンツネタで思い出したけど、
だっちゃんは最近、お腹の調子がすごく良い。
お腹を壊す事も無い。

年を取ると、お腹の調子が良いって事は、切実な問題だから、
毎日、みんなホッとしてる。

考えてみたら、ご飯に入っているさつまいもの量が、少し増えたせいかも?
さつまいもを毎日少しづつ食べるってのは、お腹に良いのかな?
 
歩くべきか、歩かざるべきか

 後ろ足がずいぶん弱ってしまったけど、
歩かないと益々弱る。

でも、犬にとっては、固いアスファルトの上を歩くのは足に負担になる。
歩きすぎると、足に良くない。

その加減がすっごく難しい。

たまに、散歩に出たすぐは、足がこわばってるせいか、ヨタヨタが酷い時がある。
歩いてるうちに、ほぐれるのか、普通に歩けるようになる。
こういう時は、やっぱり動かさなきゃダメなんだ、って思う。


だけど、ちょっと調子に乗っていっぱい歩いた日が続くと、
もうほとんど歩けない老犬のようにもなる。
そんな時は、歩きすぎたかー、もっと控えなきゃ、って思う。

ほんとに、加減は難しい。
 
動いてるだけで凄い

 いつも病院に行くと、最初に聞かれる。

「元気、食欲はどうですか?」

若い頃とはちょっと意味合いが違って来てるかもしれないけど。

この年になると、
動けて、ご飯を食べられる事が一番大事だ、って。

んで、
この年で、まだ動いてるってだけで凄い事だって。
 
 
一番可哀想だったのは

 後ろ足の付け根に腫瘍が出来てしまっただっちゃん。
後ろ足サポートの補助具や紐に擦れて、痒くて痒くて、
散歩の時ものたうち回る。

擦れて潰れ、擦れて潰れ、してるうちに、益々酷くなるし、益々痒くなる。
これはもう、取れるものなら、取ってしまった方が良い、
と言うことになった。

普通は、レーザーメスで切除するから、犬の場合は、全身麻酔でする。
でも、老犬には全身麻酔はリスクが高すぎるから、って事で、

大親分も含め男4人がだっちゃんをがっちり押さえ込み、
部分麻酔のあと、レーザーメスで切除して貰った。


2年前に皮膚科で、前足の腫瘍を取ってもらった時は、
部分麻酔で、親分と大家分に体を押さえられ、もう一人の先生が患部の前足をホールドして、
院長先生が普通のメスで切って取ったんだけど、
その間中、だっちゃんが、ヒー、とも言わずに、おとなしくじっとしてたから、
院長先生に、「ほんとにおとなしくて良い子だねー!」って、とっても褒めて貰ったんだった。


ところが、今回は、
仰向けの体勢がイヤだし、ちょっとどうかすると痒いからイヤだし、
なにもかにも全ていやー!!!

に、なってしまった。

思いっきり、ひー、ひー、きゃわん、きゃわーん!!
って、騒いだんで、終わった時は、ぐったりしてしまった。

わけもわからす、押さえ込まれて、切られてしまっただっちゃんは可哀想だったけど、
一番可哀想だったのは、

待合室で待ってたわんこ。
そいつは、病院が怖くて怖くてしかたないのに、
診察室で騒ぐだっちゃんの声を聞いて、益々怖くなったらしい。

終わって出て行ったら、ブルブルブルブル、震えてた。
悪い事しちゃったなー
 
つまんないね

 だっちゃんは犬だけど、犬なりに色々考える。

例えば、散歩、
ここであっちに曲がったら肉屋さんに行ける道、って時、
本当はいつでも行きたいんだけど、

若い元気な頃でも、急ぎ足で往復一時間、
ゆっくり買い物すると、1時間半。

しばし考えて、
今日は無理だから止めよう、って諦める。

12月はまだ歩いて行けたのになー
また行きたいなー


物思うだっちゃん。

そろそろ散歩の時間。。。
肉屋さんに行きたい。
おやつをくれるおばちゃんちに行きたい。

次の散歩で、行ける?かな?
変わったよね

 だっちゃんの友達の、甲斐犬のTくん。
若くてとっても元気、
同じ日本犬同士、付き合いやすいよ。

最初会った頃は、キリッとして、さすが甲斐犬、って感じの風貌だったんだ。

誰にでもしっぽを降らないぞ、
誰にでもむやみに触らせないぞ、って感じだった。

それが、いつ頃からか、変わった。
だっちゃん達を見つけると、飼い主さんが気が付かないで行こうとしても、
後ろ向きで、あるいは横向きで、行かない、行かない、ってやる。
挨拶するー、撫でて貰うー、って頑張る。
んで、ニコニコした顔で、寄って来るんだ。

うちの人間達に、「Tくんはほんとに可愛いねー!」って大人気なんだ。

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