だっちゃんのハゲからの脱出(なるか?)

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2.色々思う事

 痒いのは辛い。
犬も辛いけど人間も辛い。
ハゲて行くのを見てるのも辛い。

痒さに苦しむ犬はいっぱい居るみたいなのに、
なかなか納得できる治療が無いのは、何故なんだろう?
命までの問題じゃないから、どうしても後回しになるんだろうか?



犬インターフェロン

 だっちゃんの痒みとハゲ方が、今までとはあきらかに違う、これはただごとじゃない。と、気が付いて、
今までのハゲ方は、毛が抜ける痒い時期をなんとか乗り切れば、また生えてくる、という感じだったけど、
今回はあきらかに違う。

これは、なんとか手を打たなければ。と言うことになった。
そこで、選択肢は3つだった。



まずは、今までと同じに、痒みが酷い時期のみ短期間、ステロイドで痒みをコントロールしつつ、毛が生えるのを待つ。

もっと早い時期から、掛かり付けの病院の院長先生に、「もうステロイドを使った方がいいんじゃないか。」、と、言われていた。
確かに今まではそうやってしのいで、一番酷い時期を乗り切った事もある。

だけど、歯科の先生は、歯のためには出来るだけステロイドを使いたくない、というお考えのようだ。
こちらも、今残ってる歯は寿命が尽きるまで大事に残したい、と考えていたから、
出来るだけステロイドは使いたくなかった。

もし使うとしても、いつも処方してもらう量よりも、ずっとずっと少なく、なんとかバランス取れるギリギリの量で。。。
などと考えてもみたけど、そううまくいくだろうか。

掛かり付けの病院と、歯科の大学病院と、別々の病院の場合そこらへんのすりあわせは、なかなか難しい。

掛かり付けの病院で、いつものようにステロイドを処方して貰ったとして、勝手に減らして飲んで、
肌には効果が無く、歯にも悪い、なんて事になったら、台無しだし。

でも、それよりなにより、今回はいつもよりずっと痒みが強く、これまでのように、短期間ステロイドを使う、というわけにはいかない感じに思えた。
きっと薬が切れたら、すぐに痒みがぶり返し、飲む前よりももっと強い痒みになるのでは、という感じだったので、残念ながら、今回はこの方法は使えそうもない。



次に、犬インターフェロン、

ネットで調べていてみつけた。
これは副作用がない、というのが魅力。
掛かり付けの病院の院長先生に相談してみると、

これは週2回、注射に通う。
この大きさだと一回、2万円弱かかるだろう。
一月、16万円くらい。そしてそれが数ヶ月間。

値段でかなりビビルが、しかも、効く犬と効かない犬が居るとの事。
とても良い効果がある犬が居る一方で、全く効果が無い犬も居る。
五分五分ぐらい。との事。

五分五分で、月に16万、しかも数ヶ月かかるので、数十万、
ちょっと、いや、かなり躊躇ってしまう。

今これだけ苦しんでいる、良くなる可能性が少しでもあるなら、
それくらいしてやっても、他の事を全て我慢すればそのくらいなんとかなるだろうか。。。
とは思っても、現実には、なかなか。。。。

それぞれの犬で程度の差はあっても、確実に効果がある、というなら決心のしようもあるけど、
やはり、五分五分じゃ、これに賭ける決心は、おいそれとつかない。

そこでやっている犬は、みんな小さい犬ばかりだそうで、
確かに、5キロ未満の犬なら、もっともっと安く出来るから、
もうちょっと気軽に試せるかも。



どうしたらいいものか、と考えあぐねている間にも、ハゲはどんどん進行する。
何もしないでいると酷くなるばかり、と決心して、
三つめの選択肢、だいぶ前にネットで見つけていた、皮膚科専門の動物病院を受診する事にしたんだけど。


今でも、犬インターフェロンにはかなり心惹かれる。
副作用が全くない、という点。
週2回注射に通うだけで、他に飼い主の手間がかからないという点。
とても魅力的なんだけど。。。

必ず効果がある、と言うなら。。。
五分五分でも、もっと安かったら。。。。。

色々考えてしまう。




スタフィロコッカス・インターメディウス

 だっちゃんが感染してハゲた細菌は、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staphylococcus intermedius)という常在菌。
犬の体表に普通にいる細菌。

健康な犬ならなんの問題も無いけど、免疫力が低下した時などに、感染してしまうらしい。

どんな細菌なのか、ネットで調べてみた。


「スタフィロコッカス」は、ブドウ球菌。

ブドウ球菌と言えば、食中毒の原因となる、黄色ブドウ球菌が有名だけど、
黄色ブドウ球菌は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)で、別の菌。

スタフィロコッカス・インターメディウスと、スタフィロコッカス・アウレウスは違う。

食中毒を起こすのは、スタフィロコッカス属の黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・アウレウスだけらしい。

良かったー!

細菌感染、なんて言うと、色々な人や犬にうつしてしまうんじゃないか、と心配になってしまうから、
そこはなにより安心した。


このスタフィロコッカス・インターメディウスが原因の皮膚疾患の犬は、かなり多いらしい。

治療は、この細菌に効く抗生剤をきっちり服用する事だけど、
人間でも毎日12時間ごとに薬をきっちり飲むのは大変なのに、
犬に飲ませるのはもっと大変。
だって、犬は基本、薬なんか飲みたくない。

それをなだめすかし、犬と人との知恵比べしながら、毎日薬を飲ませるのはとても大変。

服薬で挫折して、なかなか治らない、という事もあるらしい。

そこで、一度注射をすれば、2週間は効果が持続する、という薬もあるらしい。
毎日服薬するのと違い、犬にも飼い主にも楽だと。
ほんとうにそんな良い物なのだろうか?

だっちゃんもそれなら楽だったのに。。。。
だっちゃんは普通に飲み薬だけど、注射は老犬には向かないのだろうか?

と、考えながら、毎日地道に服薬している。




シャンプー

 痒い時にはシャンプー、ずっと信じていた。

実際、子犬の頃に酷かった時も、5歳の時に酷かった時も、毎日シャンプーしたら、良くなった。
その時も、あちこちハゲハゲで、赤いブツブツがいっぱいあって、けっこう悲惨だったけど、
毎日殺菌シャンプーでせっせと洗って、良くなった。
毎度毎度の毛が抜ける痒い時期も、頻繁にシャンプーした方が痒みも柔らぎ楽だったし。

人間のアトピーの場合も、毎日お風呂に入って清潔に保つのが大事って言うし、
掛かり付けの病院の、ご自身もアトピーで苦労している若い先生も、
「とにかく清潔第一、自分も飲み会なんかでついお風呂に入らないで寝ちゃった時は、一気に悪化しますよ。」って言ってたし。


だから、今回も、シャンプーすれば良くなると、信じて疑わなかった。

若い頃と違い、体力も忍耐力も無くなっただっちゃんがシャンプー中にだれてぐずり出すのを、
なだめすかし、褒めて叱りつけ、人も犬も疲れてギリギリの感じになりながら、
毎日せっせと洗った。

だけど、今回はそんな簡単にいかなかった。


途中から、なんとなく、いつもと違う、と言う感じはしていた。

シャンプーをする度に、ハゲの部分が広がって行くような気がしないでもなかった。
でも、考えると怖いから、信じ続けたんだと思う。

それに、他にする事も無かったし。
シャンプーに縋り付いたんだと思う。


これが人間のアトピーなら、、一番最初にステロイドの塗り薬なんだろうと思うんだけど、
犬の場合は、なんで無いんだろう?

毛があるから、塗りにくいから?
せっかく塗っても、犬は嘗めてしまうから、無駄だと?

なんとなく、釈然としない。

これを一生懸命すれば良くなる、という何かがあれば、いいのに。とつくづく思った。
何も無いから、シャンプーをし続けてしまったんだと思う。


そして、どうやら、シャンプーで良くなるかどうかは、

細菌感染していない場合は、まめなシャンプーで良くなるけど、
細菌感染している場合は、菌が皮膚に浸入する深さによって違うみたい?

『 膿皮症は、菌が皮膚に侵入する深さによって、表面性膿皮症、表在性膿皮症、深在性膿皮症に分類される。
表面性膿皮症なら、抗菌剤配合の、シャンプーやローションなどで、患部を洗浄したり毛刈りで治療できる。

でも、それよりもっと皮膚の奥深くに菌が侵入すると、表在性膿皮症となったり、皮膚深部の毛包破損によって深在性膿皮症となる。
それを治療するには、適切な抗生物質等の抗菌剤の投与が必要となる。
』 らしい。

なるほど。。。


細菌感染ならよけいに、殺菌シャンプーで洗った方が良いのではないか、と思ったけど、そういうわけだった。

今までは、細菌感染していなかったか、感染していても皮膚の表面だけだったので、殺菌シャンプーでせっせと洗って良くなった。たぶん。

だけど、今回は、もっと奥まで細菌が行ってしまったので、シャンプーじゃ効果が無かったんだ。
逆に、シャンプーで菌を広げてしまい、シャンプー後の濡れた状態、ドライヤーの温風で、細菌にとってとても居心地良い環境にしてしまった。
それで、益々酷くなったんだ。たぶん。


皮膚の奥深くに細菌が潜んでしまったら、抗生剤、抗菌剤の投与が必要。
だけど、抗生剤を使い続けると、免疫力が下がる。
免疫力が下がると常在菌に感染する。

なんか堂々巡りのような気もするけど。

やっぱり、免疫力が向上するように努めるのが大事らしい。
雲をつかむような気もするけども。




Tシャツとエリザベスカラー、付けるべきか外すべきか

 今回、一番にハゲたのは、脇の下。
立ったまま後ろ足で掻き、脇の下がハゲハゲになり、黒く色素が沈着して、象の皮膚のように固くなった。
固くなったのに、ひっかき傷が時々出来て、悲惨だった。

仕方なくTシャツを着せた。

Tシャツを着せた、と言っても、「可愛いワンちゃんのお洋服」のTシャツではぜんぜんなくて、
飼い主のお古のTシャツを払い下げたもの。

人間のTシャツなので、犬との体の形の違いで、後ろ前に着せなきゃいけない。
しかも、患部に縫い目が当たると良くないだろう、と言うことで、
裏表に着せる。

ぜんぜん可愛くない。

可愛くないのはおいても、Tシャツで擦れたり、暑くて蒸れて、よけいに良くない、と言うことはないか、と気になる。



その上、あちこち囓ると、皮膚も益々酷くなるけど、歯茎も悪くなる(歯周病になった原因の一つは、痒くて囓りすぎて歯茎を痛めたのではないか?と密かに考えている。)、と言うことで、エリザベスカラーをずっとつけている。

エリザベスカラーをつけていると、囓れないから安心と思うけど、
以外に落とし穴もいっぱいある。

首が擦れて、擦れた部分がハゲて傷だらけになる。特に重なりの部分。

顔が痒い時、ボタンに顔を擦りつけて顔がハゲハゲ傷だらけになってしまった。
ほんの少し目を離した間に、あっと言う間に傷だらけに。
まさか、ボタンが凶器になるとは思いもしなかった。

重なる部分の縁も、擦りつけるかっこうの部分になるし。

仕方なく、布を貼ってみたり、ペットシーツを貼ってみたり、タートルネックのシャツを切り取ってエリカラの下に装着させてみたり、ボタンの上に綿を乗せてでっぱりを潰してみたり、
重なる部分とボタンを隠せるように、擦れて傷つかないように、思いついた事はみんな試した。
首周りが柔らかい素材で出来ているエリカラに買い換えもした。

だけど、長くエリカラをつけていると、犬も色々工夫するようになるらしく、
エリカラを折り曲げて、足先を囓っていたり、
体をひねってエリカラの中に後ろ足をつっこんで顔を掻いていたり、
柱やテーブルに擦りつけていたり、

まあ、呆れるくらい、日々創意工夫している。
あげくのはて、柱に引っかけて外す事まで覚えてしまった。

飼い主はほとほと草臥れる。


いっそ、Tシャツもエリカラも取ってしまった方が、飼い主も犬もストレスが無くなるだろうか?
付けてるメリットとデメリットを比べたら、無い方が良いだろうか?
とも思うのだけど、決心がつかない。

昼間おとなしく寝てたので、目が届く間だけ、と試しにTシャツを脱がせてみたら、
案の定、後ろ足で掻いて、脇の下に傷を数カ所作った。
せっかく少し良くなっていたのに。。。

取るべきか、痒みが治まるまで我慢してつけているか、

毎日悩んでいる。




手作りご飯

だっちゃんがハゲハゲで散歩してると、色々な人に同情される。
その度に、「アトピー、アレルギーで。。。」と話すと、

「実はうちの犬もそうで、」とか、
「実家の犬がそうで、」とか、
「先代の犬がそうだった。」とか、
アレルギー、アトピーの犬はけっこう多い。
アレルギー用のドッグフードを食べているけど、良くならない、と言う話も良く聞く。

散歩以外でも、誰かと話していて、犬の話が出たら、アトピー、アレルギーの話になる。

日々、アレルギー犬の調査情報収集してる感じだ。


アレルギーに苦しむ犬と、皮膚が丈夫な犬との違いはなんなんだろう?
持って産まれた体質が一番なんだろうけど、それ以外では?

今のところ、周りで情報収集した感じでは、

アレルギーの犬はドッグフード(犬用のおやつを含む)がメインの食事の場合が多い。(勿論ドッグフードだけ食べていてもアレルギーでは無い場合も多い。)
手作りご飯(昔ながらの残り物ご飯を含む)の犬は、あまり皮膚のトラブルには悩まされていない場合が多い。(全く無しでは無い。)

ような感じ。


アレルギーが酷かったけど、動物病院を変わったら、獣医さんに手作りご飯を勧められて、
ドッグフードをやめて手作りご飯にしたら、すっかり良くなった、という話も聞いた。


だっちゃんも早くから完全手作りご飯にしていれば良かったと、後悔している。
完全手作りご飯にしたいのは山々だったけど、
手作りご飯だと、栄養がちゃんと摂れるだろうか、と心配で、ドッグフードと手作りと半々、なんて中途半端なご飯にしてしまったり、
お腹を壊す日々が続くと、手作りご飯に自信がないものだから、ドッグフードだけにしてみたり、
有機無添加原材料を厳選、なんてドッグフードがあれば、これなら大丈夫か、と思ったり、
なにより、お店で美味しそうな犬用のおやつを見ると、ついつい買ってしまったり。

なかなか完全手作りには出来なかった。


いいかげんな手作りご飯だと、栄養が偏って、色々な病気の原因になるのでは?と心配だったんだけど、
原材料にこだわった栄養バランスの良いフードなら、とりあえず安心、と思っていたんだけど、

考えてみたら、

ある程度の年になって、病気になるならなるで仕方ない。自然な事かも。
痒くなく過ごして、年取って病気になるなら、その方が良かったかも。

長年月、痒くて苦しむ方が可哀想だった。

いつまでも元気に生きていられるわけでもないのだし。



治療開始直前の頭頂部。

頭の毛の中に瘡蓋が出来て、瘡蓋を取ると、毛もごそっと抜けた。
瘡蓋の部分がどんどん広がっていって、こんなにハゲてしまった。

こんなになったのは初めてで、このままどんどんハゲの部分が広がり、頭も顔も全部ハゲてしまうのでは?と心配だった。


治療開始、2週間。

短い毛が生えて来た。
毎日塗り薬を付けながら瘡蓋を取っていたら、瘡蓋が出来なくなり、毛が生えて来た。
まだまだ毛丈は短いし、毛のない部分もあるけど(額に近い部分はまだハゲ)

こうなると現金なもので、ただただ面倒で苦痛だった塗り薬をつけるのも、楽しくなる(多少は)。

頭が一番最後に抜けたので、一番最初に生えたのだろうか?


治療開始、38日後。

生えた毛が伸びて来た。
でもまだまだ、長さも密度も、元通りではない。

生えた部分は、日一日と生えて行くようで、見るたび嬉しい。
この調子で、どんどん生えるといいんだけど。


2月、頭がハゲる前。
頭はまだハゲていないが、脇の下が象の皮膚のようになっていて、保護するためにTシャツを着ている。


早く元通りになーれ!!

2008/06/19 daoya

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