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『 歯は大事 』 だっちゃんの歯周病騒動  2007/10/08


 犬の歯は丈夫、と、思いこんでいた親分、
歯磨きをしなきゃ、と、わかってはいたけど、なかなかさぼって出来なかった。

若い頃は、歯石が付くと骨を食べたり、固い物を食べたりしたら、綺麗になっていたし、
だっちゃんが面倒くさがって骨を食べなくなってからは、仕方なく自分たちで歯石取りをしてくれた。

小さな小さなマイナスドライバーや、スケーラーで、丁寧に取った。
歯茎で隠れた部分も歯茎をめくって、しっかり取った。
だから、心配ではあるけど、大丈夫かも。。。?

でもまあ、虫歯がある犬なんて聞いた事も無いし、
犬の寿命は短いから、どうかなる前に、寿命が尽きてしまうんだろう、なんて、思いこんでたんだ。


確かに、症状が悪化する前に寿命が尽きてしまえば、「犬の歯は丈夫」で済んだんだろうけど、
たとえば、だっちゃんだって、12歳で寿命が尽きていたら、歯は丈夫、で済んでたんだろうけど。。。。

だっちゃんのように、辛い目に遭わないように、しっかり歯磨きして貰おう!!
そして、歯周病になっても、しっかり歯磨きする事は大事なんだ。


だっちゃんの辛い体験が、誰かの役にたつかもしれないから、
思い出しながら書いてみるよ。

恥だけどね。




(その一) 最初は口内炎

 12歳の去年の夏、口内炎がなかなか治らなかった。
血が出て、ヨダレに血が混じり、血の臭いで臭くなった。

病院で塗り薬と抗生剤を処方されて、しばらく飲んだけど、治らない。
仕方なくステロイドを飲んで、すぐ治った。

やれやれ、って事で、安心して、まさかそれが歯周病菌のせいだなんて、思いもしなかったんだ。

でも、それでも、反省したうちの人間は、それから毎日、
口の中を洗い、歯磨きも頑張ったんだ。


口の中を清潔にしないと、口内炎は出来やすい。
いっそ病院で、全身麻酔で歯石取りをしたらどうか、と相談してみたんだけど、

だっちゃんは心臓が悪い。
僧坊弁閉鎖不全の初期。
症状は出てはいないけど、心雑音がある段階。

「老犬ではあるし、ここで無理して麻酔をかけてまでする事は無いんじゃないか。
これがもし、命にかかわる事なら、躊躇わずに麻酔するけど。」って、言われた。

確かに、主治医の院長先生が躊躇う気持ちもわかる。

麻酔はどんなに気を配っても、100%安全とは言えないし、
もし、万が一、だっちゃんが麻酔から覚めずにそのまま逝ってしまったら、
うちの人間は、きっと、すっごく後悔するかも。

「あの時、麻酔してなければ、今まだ元気で居たのに、
命にかかわる事じゃなかったのに、しなければ良かった。。。」と後悔するかも。

そして、そんな飼い主の気持ちがわかるから、院長先生も勧めないんだよね。


とりあえず、病院での歯石取りは諦めて、
自分たちで出来るだけの事はしよう。
歯石も出来るだけ取ろうと頑張った。
ちゃんと歯茎もめくって、見えない部分の歯石もしっかり取ったんだ。

歯磨きも、口の中を洗うのも毎日頑張った。


だけど、それからも時々、軽い口内炎が出来る事があった。

年を取って、抵抗力が落ちたせいもあるかな?
アトピー体質だから、抵抗力が弱いのかな?
なんて、考えてたようだよ。

うちの人間達は、「なんとかすっきり治してやりたい」、と頑張ってはいたんだけど。




(その二) またまた酷い口内炎

 そして、今年の冬、またまたひどい口内炎になった。
同じ症状で、血の混じったヨダレが多くなって、
痛くて、お水を飲むのも飲みづらくなったんだ。
血の臭いで、うちの人間は臭い、臭いと言うし。

その時も、結局、どうにも治らなくて、ステロイドを飲んで、すぐ良くなった。

良くなったけど、完治はしない感じで、それからも時々出来て、
うちの人間達は、せっせと口を洗い、歯磨きして、

なんですっきり良くならないんだろう?
もう、年だからかな?
そんなもんなのかな?
こっちも我慢して頑張ってるんだから、お前も我慢して頑張れ。

って、言ってたんだ。




(その三) またしても酷い口内炎

 今年の6月末、またしても酷い口内炎になった。

その時は、精神的なものと、首輪を噛みきった時に出来た外傷が元で、口内炎になった、と思いこんでたんだ。

しばらくステロイド無しで頑張ったけど、どうにも良くならない。
臭いに神経質な大親分は、すっごくめげて、
またしても、ステロイドを飲んだけど、前回、前々回と同じ期間飲んだけど、良くならない。

もう一度、同じだけ繰り返し飲んだけど、一旦は良くなったかに見えて、
またまたぶりかえした。

悪い事にだっちゃんはアトピー体質。
ステロイドが抜けると、酷い痒みに襲われる。
ちょうど、毛が抜ける時期に重なって、よけいに痒いのに、ステロイドを飲んでいる間に抑えられていた痒みが、
ステロイドが抜けた時に、一気に倍返し、って感じで、酷い痒みに襲われた。
のたうち回って掻く、って感じだったんだ。


さすがに、これはまずい、もっと根本的なとこで何か考えなきゃ、
何か少しでも良さそうな物、方法は無いだろうか、とネットで色々検索した。




(その四) サプリでなんとかしのげないだろうか?

 ネットで検索していて、殺菌効果が高いという熊笹で作られた、「サンクロン」というサプリを見つけた。

人間の場合は、毎日、口に含んでから、飲み込むらしい。
犬の場合は、口に含むなんて芸当は出来ないから、

ご飯に少し混ぜる、
少し薄めた液で、口の中を拭く、

と、いう感じで試してみた。


それから、ステロイドが強力に炎症を抑える効果があるなら、
天然のステロイドと言われる「ユッカ」を飲んだらどうだろう?
少しは良くなるだろうか?

って事になった。


ずっと若い頃、ユッカを飲んでいた期間がある。
痒いのが少しでも楽になるか、って期待して。

数年飲んでいたけど、いくらサプリとはいえ、あまり長い間、飲み続けるのはどうなんだろう?
本来、自分の体で合成するはずの物を、外部から取り込むわけだから、
あまり長い間、飲み続けるのはやっぱり良くないんじゃないか、って事で、
一旦、休んでいたんだ。

前に飲んでいた最中は、効いてるのか?効いてないのか?
いまいちわからない、って感じだったんだけど、

今、飲み始めてしばらくしてみると、
痒さが少し、ましになってるかも?
のたうち回って掻きまくる、って感じではなくなったかも?
少なくとも痒さには効いてるような?

でも、口内炎には、まだまだ効果は無さそうだ。


それから、薬局で「生葉液薬」という、人間用の歯周病用の塗り薬を見つけた。
これは綿棒でつけるので、簡単につけられるのがいい。

キシリトールが入ってるから、犬には良くないだろうけど、
ごく僅かな量だし、だっちゃんは大型犬、これくらいなら大丈夫かも?
キシリトールの危険性よりは、これで少しでも良くなるとしたら、QOLの方が大事かも?
と、いう事で、毎日、付けてみる事になった。

数週間つけてみて、少しは良いように思うけど、
決定的じゃないような。。。。
もっとt、長い期間付けなきゃだめなのかも?
それとも、付け方が悪いのかも?

なんて、思いながら、それでもまだまだ頑張っていた。

頑張ってはいたけど、なんとなくがんばりの方向が違うような気もしないではなかった。


しないではなかったけど、でも、溺れる者は藁をもつかむ、って事だね。




(その五) 今になってやっと

 ネットで色々検索していると、

「5歳以上の犬は、程度の差こそあれ、ほとんどが歯周病」
「中高齢の犬の口内炎は、歯周病が原因」と、あった。

思い当たる事はいっぱいあった、

ヨダレが多くなる。
長くぶら下がるヨダレは要注意。
顎の下が、ヨダレで濡れる。
口唇の色が一部抜けたり、タダレたりする。
口内炎が出来やすい。
血の混じったヨダレが出ると臭い。

対策は、しっかり歯磨きして口の中を清潔に保ち、歯石が付かないようにする。
付いた歯石は、病院で全身麻酔で歯石取りをして、
そして、その後も、歯石を付けないようにしっかり歯磨きするしかない。

とはいえ、麻酔が出来ないだっちゃんは、これ以上は無理なんだろうか?
なんとか方法は無いんだろうか?




(その六) なんとかしなければ!

 10月はじめ、だっちゃんが、口に入れて貰った物を、食べづらそうにするようになった。

大親分がヘッドランプを付け、親分がだっちゃんを押さえ、だっちゃんは口を開けさせられて、
しっかり検査された。

いつも歯磨きや口洗いをする場所は手暗がりになったり、だっちゃんがうつむいてしまったりで、しっかり見えないまま、手探りでやってる感じだったんだ。
しかも、 口内炎がしょっちゅう出来るから、口の中を傷つけちゃいけない、と、
恐る恐る、そおっとそおっと、やってたしね。


しっかり明るいところで確認すると、歯が数本グラグラしていて、
グラグラしている歯の付け根に、穴があいている歯があった!

うちの人間達は、愕然とした。

毎日、歯磨きしてたのに。
口の中を洗って、歯茎のマッサージもしっかりしてたのに。
それでも、あっという間に、こんなに酷くなっていた。

半年前は、まだこんなじゃ無かった。
あっという間に、こんなに酷くなってしまってたんだ。

これは、間違いなく歯周病だ。

今まで、年だから、なんて、思ってたんだけど、
いくらでも防げた事だったんだね。


犬の歯について、もっとしっかり考えていたら、
もっとしっかり知識を持っていたら、
こんなに辛い目にあわせなかったのに。

うちの人間達は、すっごく、後悔してるよ。


歯石が付きやすい、付きにくい、のは体質もあるだろうけど、
でも、まあ、これは長生きしたから、ってのはあるよね。

もし、だっちゃんが12歳で逝ってしまっていたら、
うちの人間達は、犬の歯は頑丈、って思ったままだったかも。
だっちゃんも歯は最後までちゃんと大丈夫だった、と、勘違いしたままだったかも。

長生きするのも大変だよね。





(その七) そうとわかれば

 だっちゃんの口内炎は歯周病が原因だとわかった。
そうとわかれば、もっと確実な事をしなければ。

人間の場合の歯周病の治療は、まずは歯石取り、
そして、徹底して歯磨きだよね。

今の掛かり付けの病院では、「命にかかわる事じゃないから麻酔はしない方が。」というスタンスだけど、
他の病院ではどうだろう?
麻酔が無理だとしても、何か効果的な事があるかも。

人間でもセカンドオピニオンってのがあるんだもの、
ここはひとつ、動物の歯科治療に熱心な病院で相談するのも良いかも。

動物病院は、犬も猫も場合によっては鳥も蛇も、なんでも診るし、
しかも、病気の予防から始まって、頭のてっぺんから爪先まで、一つの病院で診るんだもんね。
どうしても、得手不得手な科もあるだろうし、病院ごとにスタンスが違って当たり前だしね。
今のだっちゃんの主治医の院長先生は、信頼出来るとても腕の良い先生だし、雑誌や本の名医リストにも載ってる先生だけど、力を入れてる分野の違いってのもあるものね。


動物の歯科治療を熱心に取り組んでいる病院のサイトは色々あるけれど、
どこも遠くて、だっちゃんを連れて行くのは大変そう。
それでも、ここならなんとか行けるかも?という距離にある病院を見つけ、問い合わせてみた。

「診てみない事にはわからないから、まずは来てください。」、との事なので(当たり前だよね)

決心して予約し、行ってみた。




(その八) だっちゃん歯の診察を受ける

 うちの人間が受付してる間、だっちゃんは、診察室のドアのガラスの部分からのぞき込んで興味津々。
ここに来て、嫌がってる感じがぜんぜん無いので、親分は安心したみたいだよ。


受付が終わって、診察室に入って、診察台の上に上げられた。
院長先生が、

「まず、診てみましょう。」と、言うなり、だっちゃんの口をひょいとめくり、
歯医者さんの道具で、歯を診だした。

あちこち診てる間に、痛いとこに当たって、ちょっとだっちゃんが嫌がって口をそむけようとしたら、
「あ、痛かったね、悪かった、良い子だね。」って、撫でてくれた。

んで、また、口をめくり歯を診だした。
院長先生があんまり自然に、なんでもない、って感じにするんで、
だっちゃんも怒る気分にはぜんぜんならなかったよ。

だっちゃんはちゃんと口を開けられるだろうか?
家族になら、何をされても大丈夫だけど、ここではどうなるかわからない、
嫌がらないだろうか?大丈夫かな?
って、心配していたうちの人間達は、あんまり自然に運んで行くんで、びっくりしたらしい。



結果、やっぱり、歯周病。

もし、歯石取りをするとしたら、数本抜歯しなければいけないだろう。
心臓に関しては、心臓が悪くても、使える麻酔があるから、
大学病院で、きちんと検査して、使える麻酔などを決めて貰い、その出された指示に従って麻酔する、という感じになる、
そのまま、検査した大学病院で歯石取りをしてもいいし、
うちに来てやってもいい、
まずは、大学病院で検査して欲しい、との事。


で、犬猫の歯周病は、ほんとに多いんだって。
ヨダレのPhの関係で、虫歯にはほとんどならないけど、歯石から歯周病になるのはほんとに多い。
手作りご飯の場合は、ドライフードより歯石が付きやすいから、よけいにしっかり磨かなきゃいけない。

小型犬などは小さいから、歯周病で顎の骨まで溶けて、顎の骨が折れちゃう事もあるんだって!!
秋田犬は顎が大きいし頑丈だから、よっぽどの事がないとそこまでは行かないんだって。
秋田犬で良かったよ、ほんと、今日くらい、秋田犬で良かった、と思った事はないね。
秋田犬に生まれた事を感謝だよ。


悪くなった歯は、残しておいても、何も良いことがないんだって。
歯周病菌を飲み込む事によって、心臓や肺、腎臓が悪くなる事もあるし。

犬の場合、抜歯しても、そう不自由じゃないらしい。
飼い犬だから狩りをする必要は無いし、歯ですり潰しながら食べるわけじゃないもんね。


んで、小さい頃から慣れさせて、しっかり歯磨きするのが大事だと。


「これ以上悪くしないために、今から、しっかり磨いてください。」って事で、
人間の歯医者さんと同じに、歯磨き指導をして貰った。
そこでも、先生がお手本を見せてくれたよ。

まずは、美味しい歯磨きペーストをちょっと口の中につけて、
イヤなことじゃないよ、と犬を安心される。
ペーストは無くてもいいんだけど、急に歯ブラシを口の中に入れられると、犬はびっくりするし、
私のこと嫌いになったんじゃないか?とか思っちゃうから、
ペーストがあった方が楽に出来る。

小さい小さい歯ブラシで、歯と歯茎の境目をしっかり磨く。
歯ブラシは、ほんとに小さな小さな歯ブラシと、子供用くらいの大きさの柔らかい歯ブラシの二種類を使い分け、
力を入れずに、そっと磨く。
人間の歯磨きの仕方と一緒だよ。

考えてみれば当たり前なんだけど、
犬の歯磨きも人間の歯磨きも違いなんて無い、同じだ、って、事、
そんな事さえ、気づかなかったんだから、ほんと、うかつだったよ。

んで、ここが大事なとこ、『 歯磨き中、出血しても気にしなくていい。』

歯周病の出血は、いくら血が出ても気にしなくていいんだって。
悪いから出血するんで、気にしないでしっかり磨いていたら、だんだん出血しなくなるんだって。

それを聞いて、うちの人間達は、吃驚してたよ。
今まで、歯ブラシで磨いていて出血すると、これはまずいだろう、って思って、
ガーゼを指に巻くだけにしたり、恐る恐る、そおっと、そおっと、撫でるように磨いたりしてたけど、

これじゃあ、逆効果だったんだねー!

でも、考えてみれば当たり前だ。
人間が自分の歯を磨いていて出血したとしても、あんまり気にしないで普通に磨く。
自分の歯茎だから、痛みの程度わかるからね。

これが、相手が犬の場合は、どのくらい痛いのかわからないから、
ついついおっかなびっくり磨く事になるし、だっちゃんが痛がるとつい手を引いちゃったり、
結局、まあ、言ってみれば、面倒だから、このくらいでいいか、なんてお茶を濁す事にもなるんだ。


ほんと、知らない、って事は、どうしようもない事なんだ。
いくら努力しようと、無意味な努力になってしまっていたよ。

この一年間の努力、ほんとに無駄な努力だった。
ちゃんと正しくやっていたら、ここまで酷くはならなかっただろう。
なんとも、がっくりして、悲しくなった親分だったよ。



ここでも、だっちゃんはおとなしく磨いて貰ったよ。
まあ、歯ブラシは初めてじゃないしね。
それに、うちの人間が磨くよりも、ずっと上手に優しくしてくれるんだもん。


歯磨きは、一日三回、しっかり磨く事。
「三回もー!」と、驚いたけど、
先生のワンコも、一日三回磨いてるけど、それでもやっぱり歯石は付くんだって。

それじゃあ、しかたないね。
頑張って磨いて貰わなきゃ。。。。


で、ついた歯垢が歯石に変わりにくくするジェルを教わった。
左右の奥歯の表面に数滴垂らすか、指で直接塗る。

『 マキシガード 』 犬猫用デンタルリンス

これは良さそうだね。
だっちゃんにも効果があるといいな。

次回の分からは、どこの動物病院でも入手出来るので、近くの病院で頼みなさい、って。
もし、いつも行ってる動物病院で無かったとしても、取り寄せて貰えるんだって。

興味がある人は検索してみてね。
大事な歯、頑張って守ろうね。


それから、炎症が抑える抗生剤を処方して貰って、
歯磨きペーストと歯ブラシを買って、今回は終わり。

小さい小さい歯ブラシは、人間用。歯医者さんにあるんだって。
ライオン株式会社 DENT.EX onetuft S

もうひとつは、子供用の柔らかい歯ブラシでもいいんだけど、ついでにそっちも買った。
今日から早速、頑張らなきゃ。


だっちゃんは、どっ、と疲れたよ。




(その九) 頑張って歯磨き

 帰った日から、早速、歯磨きを開始したよ。

もう、歯磨き中に出血しても、びくびくしない。
そっと力を入れずに、でも、磨き残しがないように、しっかり磨く。

悪いところが無いんだったら、少しづつ慣れさせて、なんて悠長なペースでもいいんだろうけど、
だっちゃんの場合、そんな悠長な事は言ってられないから、

最初から、しっかり磨く。
だっちゃんが嫌がっても、しっかり磨く。
フルコースで磨く。


子供の頃から慣れていたら、歯磨きはお互いの楽しみ、って感じの関係なら、
なんの問題もないんだろうけど、
だっちゃんは歯磨きに慣れているとはいえ、決して好きではない。
好きではないどころか、むしろ、大嫌い!!

我慢してるだけなんだ。

我慢して我慢して我慢してるのに、痛い所を磨かれるんだから、
しかも、しょっちゅう磨かれるんだから、

楽しみどころか、『 いじめられてる 』と、思ってしまう。


それがわかるから、人間も、どうしても可哀想に思ってしまうんだ。
しなきゃいけないんだ、しなきゃ、益々悪くなる一方、
もっともっと辛い思いをしなきゃいけなくなる、

こっちも頑張ってやってるんだから、だっちゃんも頑張って我慢だよ。って。


終わると、犬も人も、ぐったりしちゃうね。

んで、ほんとはすごく嫌な事なのに、こんなに我慢しておとなしく磨かれて、
だっちゃんはほんとに良い子だ、
ご褒美になにか美味しい物でもやりたいとこだけど、
歯磨きのご褒美じゃ、何もやれない。
撫でてやるだけしか出来ないのが悲しい。って、言うんだけど、

だっちゃんはご褒美はもういいから、早く逃げ帰りたいだけだよ。


でも、歯磨きをしっかりしだしてから、臭いは激減したよ。

これだけで、かなり良くなったら言うことはないけど、
やっぱり、そういうわけにはいかないんだろうね。

新たな戦いは、まだまだ始まったばかりだ。




(その十) 大事な事

 さて、このまま歯石取りを目指して進めるとして、

まずは大学病院で検査して、麻酔が出来ると決まったら、
いよいよ歯石取り。

でも、その前に、

「麻酔は万が一という場合もある」、と言うことを、もう一度しっかり考えなければ。

その覚悟をしなきゃ、って、うちの人間は考えてる。



いつも口では、

「だっちゃんは今まで色々楽しく過ごして来たんだから、
今突然逝ったとしても、悔いはないだろう?
楽しい犬生だったと思うよ?
こっちは無いよ、今まで色々してきたから、思い残す事はないよ。」

なんて、言ってるうちの人間達だけど、
でも、目の前にそういう事態が現れると、

果たして、すんなり決心出来るだろうか?
それでもやってみよう、って決心出来るだろうか?

このままではいけない、って事だけは、確かなんだけど。

「歯石取りをしなければ、歯磨きを頑張るとしても限界はあるだろうから、
辛い思いをしながら、あと何年?
もし、長生きだったら、15,6歳まで生きるかも?
その間ずっと、こんな状態で過ごさせるのは可哀想。」

「あんなに明るくて元気いっぱいの性格の犬なのに、
最近では、口の調子が悪い時は沈んだ感じで、性格も暗くなるような気がして可哀想でしょうがない。」

「いつも可愛がってくれる人に撫でて貰った時に、たまたま手が痛い部分に当たって、
それ以来、すごく警戒するようになったりして、なんとも不憫。」

「口内炎に悪いかも、って、なって以来、大好きなピーピーでもずっと遊んでやってないし、
不自由な思いをしながら、楽しみなく過ごすより、
思い切ってやった方が、絶対にいいだろう。」

「今、痛くて辛い思いをしていて、それが将来も続いて、しかも、もっともっと酷くなる事を考えたら、
やっぱり思い切ってやった方が。」

「〇〇さんの知り合いが、歯周病が元で心臓が悪くなり、急遽入院して2ヶ月は出して貰えない、なんてのもあったし。」


色々、話してる人間達だよ。



  つづく ( かも? )



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