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続、『 歯は大事 』 だっちゃんの歯周病騒動 2007/11/21 大学病院の循環器科で術前検査を受け、 同じ大学病院の歯科で歯石取りと抜歯をしただっちゃん。 歯石取りと抜歯さえすれば問題解決、なんて考えに縋り付いていたうちの人間達だけど、 やっぱり、そんな都合良くはいかないもんだね。 長年月かけて悪くなったものが、一度ですっきり、じゃ、虫が良すぎたようだった。 道はまだまだ険しい。 (その十一) 大学病院で術前検査 歯の診察をして貰った病院の院長先生が紹介状を書いて下さって、 だっちゃんは大学病院に術前検査に行った。 血液検査、心電図、エコー、レントゲン、なんかで調べて貰ったんだ。 だっちゃんは血小板と白血球がかなり少ない。 血小板は平均値の下限値の半分にも満たない。 白血球もかなり少ない。 まあ、若い頃から少ないし、それでもなんの問題も無く元気に過ごして来たから、 あんまり気にしてはいないんだけど。 でも、初めての病院だし、血液検査の結果、この数値じゃ手術出来ない、なんて言われちゃ困るんで(昔、避妊手術の時に、一度は断られた事がある) 過去数年の血液検査の数値を表にして持参した。 これを見たら、だっちゃんは前々から少ないけど、元気に問題なく過ごして来た、ってわかって貰えるかな?って。 必要ないかもしれないけど、参考になるものはあった方がいいよね。 で、結果、 だっちゃんの心臓は、雑音は大きいけど、ほぼ問題無いレベルとの事。 5段階にして、2のちょっと上。 2をちょっとだけ超えたあたりだろう、との事。 良かったー!!! 心臓の肥大も無いし、肺も、周りの血管も正常、 血圧も正常だったし。 血液検査の結果も、血小板と白血球以外は、全部正常値。 どころか、数ヶ月前の血液検査では、だいぶ多くなっていたALPの値が、正常値になってる、というおまけ付き。(これは、最近の手作りご飯の内容が良かったんだろうか?) で、注意深く麻酔すれば問題ないでしょう、との事。 問題ないとは言え、100%安全とは言えないのは当然。 だって、全く健康な状態での避妊手術の麻酔でも、死亡率は、0.4%なんだって。 だから、リスクはどんな状態だってある。 こればっかりは、しかたない。 だっちゃんの生命力に賭けよう。 と、まあ、ここまでは順調に進んだよ。 (その十二) 歯磨きは楽しい共同作業? んなバカな!! 歯石取りの予約を取って、ドキドキその日を待つ間も、少しでも良くなるように、と歯磨きに励む日々。 歯磨きはうんざりだけど、犬としては、手間をかけて貰う、ってのは嬉しい事なんだ。 んで、滅多に褒めて貰えないのが、歯磨きを我慢したら、 いっぱい褒めてくれる、ってのも、嬉しいのは嬉しいんだ。 「かつてこれほど褒められた事があっただろうか?」 「今まで13年以上生きて来て褒められた回数より、しっかり歯磨きをするようになってから褒められた回数の方がずっと多いよね?」 「しっかり歯磨きして貰うようになって、良かったねー!」 「だっちゃんは、みんな一緒、が好きでしょ? 歯磨きはみんな一緒に頑張るんだよ、みんなで楽しい共同作業だよ。」 なんて、言われるんだ。 なんせ、しっかり歯磨きするには、一人がだっちゃんを押さえて、 もう一人が歯ブラシで磨く、って感じに役割分担しないと出来ない。 もう少し慣れたら、一人ででも出来るようになるかもしれないけど? 今はまだダメだ、だっちゃんは隙あらば、口をそむけようとするし、逃げようとするし。 で、だっちゃんが仕方なく我慢して、じっと耐えていると、 「良い子だねー!なんて良い子なんだろう?! うちの犬がこんなに良い子だったなんて、今まで知らなかったよ。」って親分が言う。 なんか、わざとらしい気がする。 だっちゃんは悪い子でもかまわないんだけど。。。 褒められるのは嬉しいけど、歯磨きはやっぱりヤダ。 歯の裏側を磨くのは、すっごくヤダ!! (その十三) 庇を貸して母屋を取られる うちの人間が心を入れ替えて、しっかり歯磨きをしだしてから、 3日もすると、口臭が激減し、出血も少なくなった。 これはたぶん、抗生剤が効いてるってのが大きいんだとは思うけど。 5日もすると、歯が白くなって綺麗になった。 最初の数日は、一回の歯磨きフルコースに一時間もかかって、みんな疲労困憊だったんだけど、 そのうち30分で出来るようにもなった。 こんな事なら、もっと早くから磨いてやっていたら。。。と、後悔ばかりの人間達。 んで、だっちゃんはひたすら我慢してる。 だっちゃんは歯磨きが慣れているとはいえ、今までの歯磨きは、ほんのおざなりな歯磨きだった。 歯の外側だけ指に巻き付けたガーゼで拭いたり、 歯ブラシで磨いてた頃も、外側だけ磨くのが精一杯だったんだ。 なんせ、こんな酷い事になるなんて思いもしなかったから、 外側さえ磨けば、裏側はヨダレや舌で綺麗になるだろう、なんて安易に考えてたし。 だから、歯の裏側はお互いに未知の領域だったんだ。 「ここだけでも磨こうね。」 「ほんのちょっとだけでも磨こう。」なんて言うから、しかたなく、 じゃあ、ほんのちょっとだけだよ、って、だっちゃんが譲歩したら、 「ここもちょこっとだけ磨こうね。」 「ここもついでだよ。」 「もうちょっと、もうちょっと」 なんて感じにずんずん磨くところが増えて、 結局、全部磨かれる事になっちゃうんだ!! 庇を貸して母屋を取られる、ってこういう場合にも使うよね?! (その十四) 歯が取れた!! しっかり歯磨きを初めて8日目。 歯の裏側を磨かれていた時、痛い所に歯ブラシが当たって、どうにも我慢出来なくなっただっちゃん、 なんとか逃れようと暴れ、 人間は、なんとか離すまいと力を込め、 決死の攻防のあげく、一番グラグラしてた歯、右側上の犬歯の一つ奥の歯が内側に向いてしまった。 「うわっ!!こんななってる!!」と、驚いた人間が軽く引っ張ったら、 スポッ、とあっけなく抜けてしまった。 まあ、悪い歯はあってもなにも良い事無い、って言うし、 抜けたんなら抜けたで、それはそれでいい。。。。のかな? 抜けた歯をしみじみ見ると、表側は白くて綺麗で歯石も付いてないけど、 裏側は歯石がついていた。 歯茎との境目と歯茎に隠れた部分に、歯石がしっかりついていた。 そして、怖い事に、根の部分にも茶色の歯石が付いてる部分がある。 これが悪さをしてたんだね。 見えない部分にしっかり付いて悪さをしてたんだ。 やっぱり、裏側もしっかり磨かなきゃ、ダメだったんだ。 こんなあっけなく抜けてしまうなんて、ほんと、かなり酷い事になってたんだよね。 歯磨きするたびに、 ここまで酷くしてしてしまって、 こんな辛い目にあわせてしまって、ほんとに可哀想な事をした、って後悔する人間達。 「だっちゃんはちゃんと歯磨きを頑張れる犬なのに、 頑張らなかったのは人間だったね。 悪かったね。」、って。 (その十五) 歯磨きで良くなってくると しっかり歯磨きをして、だいぶ元気になっただっちゃん。 何かの拍子に痛みで、「キャイーン!」て言う事も無くなった。 口の調子がいい時は、自分からどんどん歩くようになった。 顔も明るい顔が戻って来た。 そうなればそうなったで、迷いも出てくる親分。 「ひょっとして、このままなんとか持ちこたえられるんじゃないだろうか? だっちゃんの寿命が尽きるまで、なんとか歯磨きだけで持ちこたえられないだろうか? しっかり歯磨きを頑張ったら、なんとか少しでも良くなって、これ以上悪くならなければ。。。」 なんて、都合のいい事も考えてしまう。 でも、そんな都合良くいかない事も良くわかってる。 調子がいい時は、出血も治まって元気にしてるけど、 調子が悪い時は、元気もなくなる。(とはいえ、ちょっと前よりもずっといいんだけど) 悪い歯を残しておいても、何も良い事はない。 歯周病菌や腐ったのが血液に乗って体中に広がり、心臓や肺、腎臓、場合によっては脳も、全身の状態がどんどん悪化する。 悪い所を取れば、ぐっと元気になる。 頭の中に、病院で聞いた言葉がぐるぐるまわってる。 大親分は単純だ。 「これから先、どのくらい生きるかわからないけど、 その間中、辛い思いをしながら過ごさせるのは可哀想だ。 今歯磨きで多少良くなったように見えても、年とともに悪くなる事はあっても良くなる事はない。 歯周病菌のせいであちこち悪くなる話はよく聞くから、早いほうがいい。 出来る事があるなら、してやる。 んで、今は条件も揃って、出来る状態だ。 先延ばししても、これから先、もっと悪くなったら、 歯石取り、抜歯も出来なくなってしまうかもしれない。」 そうなんだよね。 今がその時かもしれないんだ。 去年の夏、歯石取りを相談した時は、断られて出来ないで終わってしまったけど、 今、こうやって歯科治療に熱心に取り組んでいる病院との縁も出来た。 今まで停滞してたのに、勢いよく動き出していく感じ。 たぶん、それは、今、なんだ、今ならまだ間に合う。って事なのかも。 今を逃したら、もう後は無い、って事なのかも。 ひょっとして、だっちゃんはとても運が強い犬なのかもしれない。 (その十六) だっちゃん受難の日 ついに運命の日、歯石取りと抜歯の日がやって来た。 朝の10時の予約なんで、ドキドキしながら大学病院へ。 まずはレントゲン写真を写して、治療出来るかどうか判断するとの事。 レントゲンって、口を開けさせて撮るんだろうか? 口が痛くなってから口を開けなくなっただっちゃんなので、写せるんだろうか? って心配したけど、 最初は歯を一本一本撮るんじゃなくて、外側から撮るんだって。 それなら、大丈夫だ。 だっちゃんがレントゲンを撮ってる間、うちの人間達は歯科の先生と色々なお話。 先生のお話では、日本犬は免疫機能が弱い犬が多いんだって。 だから、高齢の犬はそれまで元気に過ごしていても、どこか悪くなると、免疫機能がガタッと落ちて、あっけなく逝ってしまう、って事があるんだって。 だから、普段から免疫力を上げる事が大事だ、って。 なんでもいいから、免疫力を高めるサプリを飲ませてやって下さい、って。 (椎茸を粉にして飲ませるのもいいんだって。椎茸は免疫力を高めるけど、犬はキノコそのままじゃ消化出来ないから粉にして) だっちゃんは免疫力を高めるサプリを飲んでいます。って言ったら、 「やっぱり飲ませてますか、うん、年のわりに若々しい。」って。 年の割に若々しい、って言ったって、歯周病に苦しんでいるんだから、立派に年寄りなんだけどね。 んで、戻って来ただっちゃんの目をのぞき込み、 「目もまだちゃんと黒いね。立派だ。」って、お褒め頂いたよ。 レントゲンの結果は、これなら出来そうだ、やりましょう、と、なった。 (レントゲンの結果によっては、出来ない事もあるんだって。) 写真で、歯の根本に黒く写ってるのは、腐ってる部分との事、 親分にとっては、なんか、暗い気分になる写真だったんだって。 どのくらい時間がかかるのか、は、やってみないとわからない。 始めたけど、ダメで、途中で中断する場合もある。 お迎えが出来るようになったら、携帯に電話するので、 電話にはいつでも出られるようにしていて下さい。 そんなわけで、だっちゃんは、 「しっかり頑張れ!!」との言葉と一緒に、診察室にひとり残されてしまった。 (その十七) 目が覚めたら 目が覚めたら変だった。 体に力が入らないし、口の中が変。 不安でいっぱいのだっちゃんだったんだけど。 若い先生が迎えに来てくれて、だっちゃんを連れ出してくれた。 ロビーに戻ったら、うちの人間達が待っていた。 やっぱり落ち着かないし、連絡が来る前に来て待ってたんだって。 あらかじめ先生に、 「思った以上に酷い状態でした。まだまだお返しできる状態ではありません。もうしばらく待っていて下さい。」と説明を受けていたけど、 だっちゃんの姿を見て、自分たちの想像以上に大変だった事がわかって、 かなり心配したそうだよ。 戻って来ただっちゃんは、フラフラで体に力が入らないし、 血も止まらなくて、スプラッター状態。 それでも、だっちゃんにとって一番大事な、「家族みんな一緒」になれて、 ずいぶん安心したよ。 まだまだもうしばらく様子を見て、もう少し落ち着いたら、って事で、 しばらく待ちながら、術後の説明なども色々受けた。 今晩は絶食、お水も飲ませない。 どうしても飲みたがる時は、ほんの少しだけ飲ませる。 お水を飲むと血が止まりにくくなるからね。 だっちゃんの状態はかなり酷くて、歯茎だけではなく、 ほっぺたの内側や、舌にまで潰瘍が出来ていたほどの状態。 かなりの本数を抜いたけど、本当はもっと抜きたい歯もあったとか。 様子を見ながら控えめに抜いたから、もう一度やらなきゃいけなくなるかもしれない、とか。 かなりの本数の歯を抜かれたので、出血は覚悟しなきゃいけない。 3日くらい血が止まらない事もあるらしい。 おまけに血小板と白血球が少ない、って事で、先生達にもかなり心配されたみたいだよ。 んで、明日の朝からは、先生曰く、「牛肉大作戦」。 牛肉の固まりを、一口サイズに切って、 ポイ、ポイ、って口に入れて、飲み込ませる。 それ以外の食べ物は一切ダメ、 牛肉も、くずが出やすい薄切り肉や、さいころステーキなどの整形肉はNG。 食べかすが傷に入るとまずいので、それ以外は絶対に食べさせないように、 これだけはなにがなんでも、絶対に守って下さい、との事。 牛肉をいっぱい食べられるのは、だっちゃんは嬉しいけど、 毎回同じだと、飽きるよね? 白いご飯もお魚も食べたくなるよね?大丈夫かな? んで、出来るだけ寒い方がいいんだって。 暑いと血が止まりにくいから。 って、事は、夏は大変って事だよね。 冬も暖房があるから大変だよね。 って、事は、今、一番いい季節だったって事だよね。 しばらくして、だっちゃんは台車に乗せられて玄関へ、 玄関からは、抱っこされて車に乗せられて、 ようやく家に帰ったよ。 長い長い一日だった。 と、その時は思ったんだけど、 まだまだ長い長い一日は、終わって無かったんだ!! (その十八) 長く辛い夜 8時すぎに家に帰っただっちゃん、まだまだ足がふらついてたから、抱っこされて玄関へ。 いつもは足を洗って体を拭いて家に入るんだけど、今日は省略。 やれやれ疲れた。家に帰れて良かった。 まずはお水ちょうだい、って言ったんだ。 なのに、誰もお水をくれない。 だっちゃんの言う事はわかってるはずなのに、 お水の器とご飯の器を置いている所に行って、何度も、 お水ちょうだい、って言ったのに、 誰もお水を入れてくれないんだ。 「今はお水を飲めないんだよ、飲んじゃいけないんだよ。 お水を飲むと益々血が止まらなくなるからね、可哀想だけど、我慢しようね。」って。 なんで????? だっちゃんにはわからないよ。 口の中が変だから、お水が飲みたい。 昨日の夜からお水を飲んでないんだもん、喉も渇いたのに。 なんで?? なんで入れてくれないの???? だっちゃん、お水が飲みたいよー って、ピーピーピー、って泣いたんだけど、 「ごめんね、我慢しようね、今はあげられないんだよ、頑張って我慢しようね。」って言われるばかり。 だっちゃんがお水の器の前に陣取って、いつまでもピーピー言うので、 どこに行ってもまたお水の場所の前に戻ってピーピー言うので、 敷物の上に連れて来られ、無理矢理伏せさせられて、 みんなで体を撫でてくれた。 撫でて貰うのは嬉しいけど、それより、だっちゃんはお水が飲みたいんだ!! って、また、ふらふらと立ち上がって、お水の場所に行こうとすると、 「我慢してね、ゆっくり寝て回復しなきゃ。ここでみんなで寝てようね。」って、押し戻される。 って、言われても、口の気持ち悪さと、痛みと、喉の乾きで、とても眠れないよ。 だっちゃんがあんまりお水をほしがるので、ほんの少しだけ飲ませてくれた。 だけど、ほんの少しのお水なんか、あっという間に飲んでしまって、 もっとちょうだい、もっと飲みたい、って言ったんだ。 だけど、 「少ししかあげられないんだよ、我慢しようね。」 「いつまでも血が止まらないと、いつまでも不自由に我慢しなきゃいけないんだよ。」 「早く治るように、頑張って我慢しようね。」って。 飲みたい、飲みたい、飲みたい、お水が飲みたい!! 「少しだけ飲んだ事なんか、もう忘れてるね、 これは自分が飲みたいだけ飲まない限り、同じ事を言うだろうから、これ以上は心を鬼にして我慢させよう。」って人間が話してる。 なんで??? なんでそんな酷い事するの????? だっちゃんにはぜんぜんわからないよ!! んで、また、敷物の上に連れて行かれ、みんなで体を撫でて励ましてくれる。 励ましよりもお水!!! お水が欲しいー!! お水が飲みたい、お水が飲みたい!! もう、眠る事も出来なくなって、頭を上げたまま、はー、はー、はー、って口で息をし、 ボトボト血を垂らしながら、ひたすら耐えただっちゃん。 だっちゃんの様子があまりに不憫で可哀想だってんで、 「去年の夏に諦めないでもっと調べて、あの時に歯石取りをしていたら、 こんなに酷い事にならなかっただろうに。 抜歯の本数も少なかっただろうに。」って、親分はすっごく後悔してる。 んで、 「早く血をとめるためにはお水を飲ませない方がいいんだけど、あまりに可哀想。 もう少し頑張って、3時になったらお水を少し飲ませよう。それまでなんとか頑張ろう。」って人間達が話してる。 「外が少しでも明るくなったら朝の散歩に行って、朝ご飯のお肉を食べさせて、お水を飲ませよう。食べて飲んだら少しは落ち着くかも?」って。 そんなこんなで、ようやく日が変わり、みんなでジリジリする思いで3時を待ってた。 1時が過ぎ、1時半になり、時計が止まったんじゃないかと思うくらい、時間はなかなか流れない。 「気のせいかな、少し出血の量が少なくなった?」 「うん、少なくなったかも?」 2時が過ぎ、 「もう少しだからね、頑張ろうね。」って励まされ、 2時半を過ぎた頃、 「やっぱり、だいぶ出血が減ってきたね。」 「心を鬼にしてお水を我慢させて良かった。」 「ようやく出血が落ち着いたねー!」と喜ぶ人間達。 だっちゃんはそれどころじゃない。 そして3時。 ようやく待望のお水!!! お水を飲んだら、少し落ち着いて、 お水の器を置いてある所の前で伏せて、そのまま寝てしまった。 しばらくだっちゃんを見守ってた人間達だけど、 「このまま朝まで寝てるようだね」 「なんとか朝まで持ちそうだな、」って、ようやく人間達は一息ついた。 んで、 「あんなに出血してたけど、臭いは全く無くなったのがすごい。」って。 やっぱりあの臭いは、歯周病の臭いだったのかな? 歯周病で歯茎が腐った、腐敗臭だったって事なのかな? そんなこんな話していたら、 時計は4時半を回ってて、気が付けば人間達もだっちゃんと一緒に、飲まず食わずだったんだ。 (その十九) 牛肉大作戦 翌日の朝、だっちゃんはそれなりに落ち着いてたので、結局、いつもの時間より少し早いくらいの時間に散歩に行った。 だっちゃんはなんだかわからない嵐のような一日が終わって、「いつもと同じ」が戻って来たのが嬉しくて、散歩は張り切って行った。 いつもより元気なくらい元気に歩いた。 「手術の効果が出たのかな?」 「もう?いくらなんでもまだ早いでしょう。」 「ただ単に、気分が高揚してるだけじゃないの?」 なんて人間達が言ってたけど、だっちゃんはお腹が空いて死にそうだ。 散歩の後で、さあ、お待ちかねのご飯だ!!と思ったら、 あれあれ?? なんかいつもと違う。 術後の説明では、牛肉を、って事だったけど、あいにく牛肉は冷蔵庫に無かった。 病院から帰って来たのも遅かったし、買う余裕もなかったし。 幸い、馬刺の固まりが冷凍庫にあったんで、馬刺の固まりならくずにならないし大丈夫だろう、 って、事で、朝からだっちゃんは馬刺の角切りを丸飲み。 薬も馬刺にくるんで丸飲み。 いつもは薬が入ってる物は、絶対に食べないんだけど、今日は違う。 ちゃんと飲み込む。 だって、お腹が空いてるんだもん。 人間達は、薬を出さないだろうか、 丸飲みしないで噛んで食べようとしたらどうしよう、って心配で、 だっちゃんの口に、ポイ、ポイって、入れながらも気が気じゃ無かったんだって。 最後の一個を口に入れると、どっと疲れたそうだよ。 (その二十) 心配しながらも日は過ぎて 散歩も済んで、ご飯も済んで、だっちゃんも眠り、ようやくみんなほっとした頃、 だっちゃんの様子を心配して、大学病院の先生が電話を下さった。 抜歯した本数が多かったのと、血小板、白血球が少ないのとで、 かなり心配かけてしまったみたいだ。 3時くらには落ち着いた、って話をしたら、喜んで下さったよ。 くれぐれも牛肉の固まり以外食べさせないように、薬はきっちり飲むように、 と、重ねて言われ、一週間後の受診の日を待つ事に。 んで、やっぱり牛肉大作戦はとっても大変だった。 抜歯の翌日に、だっちゃんを可愛がってくれる肉屋さんのおじさんに相談し、 牛肉の固まりを2キロ分わけて貰った。 おまけで、牛叩きを作る時のいいお肉を、だっちゃんのお見舞いにくれた!! すごーい!! さて、だっちゃんに食べさせようとして、はたと困ったのが、 どのくらい食べたらいいのだろう?って、事。 和牛モモ肉のカロリーは、220kcal。 400gで880kcal。って事は、400gくらい食べたら、一日のカロリーは摂取出来る。 だけど、だけど、そんだけ食べたら、痒くならないだろうか? お腹は大丈夫だろうか? だっちゃんはお腹を空かせているし、痛む歯が無くなって、何か食べたくて食べたくて、たまらない状態。 あんまり少しだと可哀想だし。。。。 人間は悩んでいた。 だっちゃんは毎日、牛肉をパクパク美味しく飲み込み、 あんなに嫌がっていた薬も、牛肉に埋め込まれて、パクパク飲み込み、 うちの人間達は、毎回、「噛むな、出すな、飲み込め!」って、おまじまいのように唱えてた。 んで、牛肉は美味しく飲み込んでたんだけど、 数日もたたずに、だっちゃんは他の物も食べたくなった。 って言うか、だっちゃんより人間達の方がまいって来た。 いつもは貰ってた物を、貰えない。 ついつい、じっ、と見てしまうと、人間達は、 「ああー、食べにくい!」 「食べた気がしない!」 「今は食べられないんだよ。」 「もう少ししたら食べられるようになるから、もう少し我慢しようね。」 「食べられるようになったら、なんでも食べさせてやるから。」 「食べ終わっても、何食べたか覚えてないくらい、食べた気がしない!」 なんて口々に言いながら、大急ぎで食べるはめになったんだ。 じっと見られたからって、そんな気にする事ないのに。 だっちゃんはそんな欲しいわけじゃないよ。 でも、見てたら貰えるかなー、ってちょっと期待してるだけだもん。 人間が気にしすぎなだけだよね。 んで、案の定、お腹が緩くなった。 牛肉大作戦が始まった最初の頃は、うんちは出なかった。 歯石取りの日は一日絶食だったんだから、当たり前だけど。 3日目あたりで、飲み込んだ血だと思うけど、真っ黒なうんちが出た。 4日目あたりで、ゆるゆるうんちがほんの少し出た。(これは、牛肉はとても消化がいいから、うんちになるほどのかすが無いんだって。だから、これで当たり前、普通のご飯を食べるようになったら、すぐ元に戻る、との事だけど。。。) それからは毎日、散歩の度に、ゆるゆるうんちをほんの少し、2回も3回も出た。 「これは、うんちに行きたい、って泣き出すのも時間の問題か!」と人間達は戦々恐々。 んで、6日目、 やっぱり、お昼に、だっちゃんはピーピーピー、って泣いて、外に走り出た。 夜中の3時にも、ピーピーピー、って泣いて、外に走り出た。 7日目の朝が開けて、病院の日。 だっちゃんは胃液を吐いた。 今日、経過を診て貰って、良ければ普通のご飯が食べられる。 「もう少しの辛抱だー!」人間達はかなり草臥れていた。 思った通り、牛肉大作戦は、とってもとってもとっても大変だった。 (その二十一) あって良かった物 たぶん、通常の歯石取りだけだと、ほとんど出血しないだろうけど、 だっちゃんの症状はかなり悪く、抜歯本数も多かったので、かなりの出血だった。 じっとしていたら、ボタボタ垂らす血を受けられるけど、あいにく犬は理屈はわかんないんで勝手に動き回る。 歩けば家中に血を垂らして歩くだろうし、いつもいつもタオルを持って後をついて歩くわけにいかない。 ついて歩いたって、うまく受けられるかどうかはわからない。 寝てもあっち向きこっち向きで、バスタオルを敷いてもぐしゃぐしゃになるだろうから、敷物も血まみれになるだろうし、 さぞかし家中スプラッターになるだろう、って覚悟したらしいんだけど。 でも、強力な援軍があったんだ! エリザベスカラーにペットシーツを貼りつけて、首に巻かれてたので、 ボタボタ垂らした血は、ほとんどペットシーツが受け止めてくれた。 ぶるぶるぶるーって首を振った時に、飛び散った血が少しだけ床や壁に付いたくらいで、ほとんどはペットシーツが吸収してくれたので、とても楽だったんだって。 これはほんとにあって大助かりだった!ってしみじみ言ってた。 無かったらかなり大変だっただろう、って。 こんな感じに ↑ 装着。 最初の晩は、このまま血が止まらなかったらどうしよう、 やっぱり血小板が少ない事もかなり影響してるのかな、 輸血なんて事になったらどうしよう、なんて、心配になるくらいの出血だったんで、 エリザベスカラーに貼り付けたペットシーツがすぐ真っ赤になってぐっしょり。 一晩で4枚くらい代えたくらい。 幸い、朝方に治まって来たから、その後は、朝晩の散歩でエリザベスカラーを外す時や、 酷く出た時に、ペットシーツを代えた、 ほとんど出ない時間があったり、時々、血のかたまりって感じのがどばって出たり、ボタボタ出たり、しながら、出血が少なくなって、 4日目にはほとんど出なくなった。 エリザベスカラーとペットシーツにはほんと、助けられたよ。 それと、あって良かった、って思ったのは、 ペット用の紙パンツ。 紙おむつよりは簡単なタイプで、ヒートの時に使う軽いタイプの。 なんせ、帰って来た時もまだフラフラしてたから、家に入る前のしっこタイムは無理だった。 抱っこされて家に入ったくらいだもの。 そういう状況で、トイレの事まで心配するのは大変だし、 もし、漏れちゃったら、敷物を取り替えたり、だっちゃんを拭いたり、ごそごそするのも痛みに響くだろう、って事で、 さっさと紙パンツを履かされたんだ。 お互い、その方が楽だろうから、って。 幸い、しっこを漏らしはしなかったけど、 「パンツを履いて貰ってたから気持ちに余裕が持てる。」、って。 これも、いざという時のために、用意しとくべきだね。 (その二十二) まだまだ苦闘は続く 歯石取り抜歯から一週間、 だっちゃんは口を動かしても痛くないんで、嬉しくてたまらない。 ついつい、ご飯の前や散歩の前に、 「はおー」とか、「はおーん」って、鳴いて、喜びを現してしまう。 うちの人間達は、「口の調子が良くなって、やたらうるさくなった。」 「わかったから、もうしゃべらなくていい。」って言う。 だっちゃんの嬉しさをわかって欲しいのにな。 経過を診て貰いに、大学病院に行った。 傷はふさがってるから、もう普通のご飯は食べていい、ってお許しが出た。 ばんざーい!! これは、なにより、人間達が喜んだ。かなり辛かったみたいだよ。 まだ少し口の端がヨダレで濡れているから、もう一週間、抗生剤を飲んで下さい、って。 良くなったら、ヨダレが少なくなって、口の端や顎が濡れる事は無いんだって。 んで、だっちゃんの場合、かなり悪いところが多すぎて、控えめに抜いたんだって。 本当は、もうちょっと抜きたい歯もあったとか。 だから、これですっきりすればいいけど、ひょっとしたら、取り残した部分が、また悪化するかもしれない。 もし、また症状が出るようなら、もう一度やらなければいけない、って。 うーん。。。なかなか大変なもんなんだね。 んで、 「固い物をしっかり食べさせなさい。(でも、固すぎる物はダメ!) 骨を食べるのが、歯と歯茎には一番良い。 骨は生の羊のあばら骨を。 それに少し肉がついていると、犬はなお嬉しい。」、って。 って、言いながら、先生は、だっちゃんにデンタルガムをくれた。 今日は朝ご飯を食べずに来てるから、お腹が空いてただっちゃん、 その上、一週間の牛肉大作戦で、お肉以外の物が食べたくてたまらなかったんで、 今までは見向きもしなかったデンタルガムを、美味しく頂いたよ。 だっちゃんがガシガシガムを食べていたら、先生が、 この子達(だっちゃんのような獣猟犬ね)は、バリバリバリッ、と骨を噛み砕かせて、持ってる力をちゃんと使わせてやらなければいけない、そうする事で生命力も強くなる、って感じの事をおっしゃったよ。 そうかー、持ってる能力はちゃんと使わなきゃダメなんだね。 眠らせてると、他の所もダメになっちゃうんだ。 食べてる時に、血が出たけど、これは気にしなくていいんだって。 血が出ても、固い物を食べる事によって、歯茎もしっかりするんだって。 気にせず、どんどん食べさせて下さい、って。 そういうもんなんだー! 普通は、血が出たら、もう食べさせない方がいい、って思うよね。 骨を食べて歯が欠けた話も聞くから、骨はまずい、って思うよね。 初めて歯科診療を受けてから、目から鱗がいっぱいだよ。 んで、先生お勧めの歯ブラシ、なんと、超音波歯ブラシ!(ヘッドを犬用に特注)を買って、 またまた先生お勧めの歯磨きグッズ、しらたま TOOTH (これは指にはめて軽く磨けるので、歯ブラシが苦手なワンコもでも楽に磨けるとか)を分けて貰い、しっかり歯磨きするぞ!! と、決意も新たに帰った来た。 ほっとしたのもつかの間、 翌日、抜歯の時の細菌検査の結果が出て、 なんと、緑膿菌が出てしまったんだ!! 緑膿菌って、どこにでも居る菌で、普通の人や動物には感染しないけど、 抵抗力が落ちた時に感染して、一旦感染したらなかなか撲滅出来ない、って菌だよね。 「そこまでだっちゃんは抵抗力が落ちていたのかー!」 「病気の老人が感染する菌だよね?そこまで年寄りだったのかー!!」って、人間はショックを受けてたよ。 で、急遽薬が増やされ、一週間薬を飲んで、一週間後にもう一度、細菌検査をする事になった。 んで、せっかくの新兵器の超音波歯ブラシもしばらくはお預け。 消毒が大変だから、って。 当分の間、しらたまTOOTHで磨きなさい、って。 まだまだ大学病院に通わなければいけないよ。 (その二十三) しっかり診察 歯石取り抜歯から二週間、細菌検査をもう一度するんで、大学病院へ。 口の中を綿棒でこすって組織を取って、検査するんだって。 んで、しっかり口の中を診たいので、念のために今日はご飯抜きで来てくれ、って言われてた。 ご飯抜き、って事は、麻酔をする可能性もある、って事だよね。 なんせ、犬の場合、しっかり診る、って事は、麻酔をする、って事と同意語だし、 麻酔をするって事は、せっかく麻酔をしたんだし何度も麻酔は出来ないんだから、って事で、 同時に出来る事は済ませてしまう、って事なんだ。 ドキドキしながら病院へ行ったけど、 幸い薬の効き目か、ヨダレは少なく口の周りもキレイ。 これなら大丈夫かも、って事で、 もうしばらく薬(あとから追加された薬)を飲んで様子を見よう、って事に。 今日取った細菌検査の結果がシロなら、もう大丈夫。 そうでなければ。。。。 とりあえず、今日は執行猶予、って事になったけど、 細菌検査の結果が悪ければ、もう一度しなきゃいけない、って事なんだ!! (その二十四) 残念ながらまだ 数日して、細菌検査の結果が出て、 恐れてたとおり、まだ緑膿菌が検出された。 その後の様子を聞かれて、 新しい薬だけになったら、ヨダレが増え始めて、口の周りも濡れているようになった。と、答えたら、 ちょうど新しい薬も無くなる時だったので、別の薬を3日分出すので、3日飲んで、薬を休んで2日で来て欲しい、と言われた。 取り残した悪い部分に、まだ細菌が潜んでいるんだけど、 一気にやっつけないと、時間があけばあくほど菌が薬に対して耐性をつけてしまうばかりで、ますますやっかいな事になるんだって。 ひょっとして、もう一度歯を抜かれてしまうんだろうか? あの辛い長い夜を、もう一度過ごさなきゃいけないんだろうか? 出来ればこれ以上歯を抜かないで、歯周ポケットに薬を入れる、って方法だけですませられないだろうか? って、聞いてみたけど、 それは、診てみないとわからない。 どうにもダメだと、その時の判断で抜く事になるかもしれない。 それは任せて下さい、って。 辛いけど、ここまで来たら、しかたないね。 うちの人間達は、 「歯や口の痛みが無くなって、よく口が動くようになったし、 顔も明るくなったし、はしゃいで跳ね回ったり、 ずいぶん楽になった様子を見てると、 改めて、悪いときは本当に辛かったんだな、 痛かったんだな、って事がよくわかる。 今までよく我慢してた、言葉に出来なくて、よけいに辛かっただろうな。 先が短いとは言え、あとせいぜい2,3年とはいえ、 また悪くなって、あんな辛い思いをさせながらの2,3年は可哀想、 これは、なんとか良くしてやるしかない。」って覚悟を決めてる。 急遽予約を取り、次の診察日に挑む事になったよ。 ドキドキだ。 (その二十五) 今にして思えば だっちゃんが歯周病になってから、散歩中に出会うワンコの飼い主さん達にリサーチしてみた。 やっぱりみんな年を取ると、大なり小なり、歯の不調をかかえて居る(居た)らしい。 やっぱり歯周病で歯石取りを相談したけど、色々持病を抱える年になると、持病を理由に断られたり、 「もう年だから、無理しなくても。」と言われたり、で、なかなか積極的に歯周病の治療をしてくれる病院は少なそうだ。 だっちゃんと同じようだね。 んで、大型犬は寿命が短いから、そうこうしてるうちに先に寿命が尽きてしまったり。 長く介護したワンコで、持病の介護に併せて、歯周病もあって、なかなか大変だった、って話も聞いた。 もう少し、動物病院で歯の事を考えてくれたらな、って思う。 飼い主が考えなきゃいけないのは当然なんだけど、 気が付かなかったり、勘違いや、全く思いもしなかったり、色々で、歯が悪くなってから、初めて気づく、って感じも多いと思うもの。 その病院の方針として、積極的に歯の治療をしたくない場合でも、こういう選択肢もありますよ、って、歯科治療を熱心にしてる病院を紹介してくれたら、って思う。 今にして思えば、だっちゃんが最初に兆候があったのは、8歳の時。 左側の上の犬歯の先が少し欠けて、歯の色も少し変わった。 うっすらと血が入ったような?感じ? 掛かり付けの病院で見て貰ったけど、若い先生だったので、 「虫歯にはなってないし、欠けたのも、これくらいなら問題無いだろう。」との事だった。 (今診て貰ってる大学病院の先生の話では、「ぶつかったり、何か強い衝撃を受けて、出た血が歯に入ったんだろう。」との事。) これも後々問題になったんだろうね。 んで、9歳の時。 口唇の色素が一部抜けた。右側の犬歯の下の部分。 その時は、色素が抜けるのは、免疫が落ちてるせいだと思ったんだ。 免疫力が上がるように、って色々努力したけど、抜けた色素はなかなか黒くならなかった。 今にして思えば、歯周病のヨダレで色素が抜けたんだね。 当時はまだ、他には何も症状が無かったから、歯周病の兆候だなんて、思いもしなかったんだ。 しょっちゅう病院に行っていたんだし、そういう事も、相談してたんだし、 歯周病について、一言でも言って欲しかったな、って思う。 そして、去年の夏の口内炎。 うちの人間は口内炎だとばかり思っていたから、歯周病のせいだなんて思いもしなかったから、 歯周病が原因だって、一言でもあったら、その後の経過は違っていただろう、って残念に思っていまうんだ。 口内炎だとばかり思いこんでいたから、口内炎は歯石が元で出来やすい、って事で、歯石取りを相談した時も、 心臓が悪いから、麻酔は避けたい、もう年も年だし無理しなくても、って事になってしまったけど、 でも、あの時に、歯の治療に力を入れている病院を紹介してくれていたら、 うちではしないけど、って事で、こういう方法もありますよ、って、選択肢を示してくれてたら、って、どうしても思ってしまう。 一年前に歯石取りをしていたら、こんなに悪化する事もなかっただろうし、経過もずいぶん違ったんだと思う。 動物病院にそれぞれ得手不得手があって当たり前だと思うし、力を入れている分野と、あまり関心が無い分野があって当たり前だとは思う。 でも、だからこそ、お互いに得意な分野を紹介し合う、ってシステムがあってもいいんじゃないかな、って思う。 全ての飼い主が、少しでも良い治療を、って望むわけじゃないだろうし、 逆に病院で示された治療法を、「もう年だから、このまま自然に、」って、何もしない事を選択する場合も多いかも知れない。 そういうケースも多かったのかもしれない。 でも、それでも、それでも、最善の方法は示して欲しかったな、って思う。 もちろん、もちろん、歯周病に思い至らなかった飼い主が一番悪いんだけども。 口内炎だと決めつけて、歯周病に少しも思い至らないで、ネットで調べてもみなかった飼い主が一番悪いのは当然なんだけども。 若い頃から歯磨きをしっかりしなかった飼い主が一番悪いんだけども。 それでも、なぜ、一年前に、歯周病が原因、って一言言ってくれなかったんだろう、って思ってしまうんだ。 歯周病と一言聞けば、もっと熱心に対策を考えただろうに、って思ってしまうんだ。 今、こんなに苦労する事は無かっただろうに、って思ってしまうんだ。 歯磨きをさぼったのが一番悪いのは、身にしみてわかってるんだけども。 (その二十六) 景気付けに またまた麻酔の歯石取り抜歯があるかもしれないんで、 先の事を考えると、気が滅入るばかり。 景気付けに山に行ったよ。 高い山はもう、紅葉は終わったかも知れないけど、暖かいところのあまり高くない山なら、まだ紅葉もあるかも? 綺麗な紅葉を見て、綺麗な空気を吸って、山を歩き回って、 生命力を高めよう、って期待したんだ。 だっちゃんは綺麗な紅葉を見て生命力が高まるのか?? は、はなはだ疑問だけど、 山を歩くのはいつでも大歓迎だ!! 麻酔前だから、無理せず控えめに、って思いながらも、 だっちゃんが張り切ってしまったので、結局、休憩込みだけど、7時間近くうろついてしまった。 まあ、多少無理してしまったとしても、無理できるだけの体力があるという事は良い事だし、 こうやって、無理する事に慣れるのも、 いざという時に役にたつ、大変な状況を乗り切る力になる。。。。。と、思う事にしよう。 無事に麻酔から生還したら、また山に連れて行って貰おう! まだ、つづく ( かも? ) |
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