悪の時代 だっちゃんの罪状! 2002/12/17
その一 | |
喧嘩してるんじゃないよ。 遊んでるんだよ。 ほんの子犬の頃からの 遊び相手の3才上のTちゃん この写真の頃を最後に、だめになった。 |
10ヶ月ぐらいになると、まわりの子達より、だっちゃんの方が強いってわかったんだ。 なのに、昔っから遊んでる子たちは、いつまでも、だっちゃんを子供あつかいする。 それがおもしろくなくなったんだ。 だから、「いつまでも、子供扱いしないで! だっちゃんはもうあんた達より、強くなったんだよ!」 って言ったんだ。 怒られたけど、どうしても、譲れないことはある。 犬にとって、どっちが上って、とても大事なことでしょう? 気にしない子達もいるけどね。 だっちゃん達日本犬は、どっちが上かってのに、とてもこだわる。 それに、みんな、まだ若い雌って、だっちゃんのこと、甘く見てるのが、おもしろくなかった。 それで、遊んでる時でも、「だっちゃんの方が強いよ!」ってつい言っちゃう。 言っちゃうんだけど、遊びたいのもあるから、まだその頃は、ほかの子と遊んでた。 |
その二 ある日、誰もいない公園で、たまたまお互い綱なしだった公園の女ボスのAちゃんと、 出会いがしらに、1対1で戦って勝った。一瞬の勝負だった。怒られた。 親分が転んで、リードを離してしまったので、その先にいた先代の女ボスの、Sばあさんをやっつけた。 それ以来、親分は絶対にリードを離さなくなった。 階段から転げ落ちたときも、ゴロゴロ転がりながらも、リードは離さなかった。 昔、死んでもラッパを離さない兵隊さんがいたそうだけど、うちは、死んでもリードを離さないんだって。 (飼い主の年がわかるね。) けんか売ってきた、Pさんをやっつけた。 だっちゃんが強いってこと、いつか、教えてやろうと思っていた、GさんとSちゃんに、噛みついた。 親分達は、謝りに行ったり、大変だった。「へたしたら、保健所だよ!」って怒られてた。 相手の飼い主さんが、いい人達だったから、大事にならなくて済んだけど。 でも、心の中では、「保健所へ行け!」って思ってたかも。 今思い出しても、ひやひやものの毎日だったって。 でも、だっちゃんは思うんだけど、、前科持ちの、Aちゃんと、Sばあさんは、因果はめぐるってやつだし、 Pさんは、向こうが先に喧嘩売って来たんだし。 GさんとSちゃんは・・・・申し開きのしようがないか・・・ 親分は、心配で、だっちゃんが悪さしてる夢を見て、目が覚めて、「あー、夢で良かった」って 思ったんだって。個人賠償保険ってのにも、入ったんだよ。 ほんの子犬のころから遊んでくれていた、子達に、ガーガー言うようになったから、 「お前は恩知らずだ」って言われた。「あんなに世話になったのに、肩身が狭い」って。 「誰のおかげでつよくなったんだ」って。遊んで遊んで強くなったからね。 だっちゃんは獣猟犬だから、教えられなくても、急所を知ってるから、 いっときも気を抜けなかったって。 ガーって言うなり、リードを思いっきり引いて引き離すって感じで。 今まで遊んでいた子達にも、会うたびにガーガー言うから、もう側に行かなくなった。 遊びたいけど、遊びたくない、複雑な気分だったんだ。 でもね、だっちゃんの悪名が、あまり高くなったせいかなぁ、 だっちゃんが会ったことの無い子まで、だっちゃんに噛まれたことに、なってたりするんだよ。 「名前は知らないけど、茶色い犬に噛まれた」、「だっちゃんでしょ」って、なるみたい。 後で、誰かが、汚名を晴らしてくれたりするけど。 |
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その三 それからは、もう、何匹かの仲のいい子達だけと、挨拶したり、遊んだりしたんだ。 ほかの子達には、近づかなくなった。向こうからも、喧嘩売られることも多くなったしね。 売られた喧嘩は買いたいし。でも、それでも、リードを引かれて、だっちゃんは、 喧嘩させてもらえないんだよ。 喧嘩を売られても、だっちゃんが、喧嘩を買うと絶対に、だっちゃんが勝っちゃうし、 相手の犬が怪我しちゃいけないって、親分は、だっちゃんの代わりに、相手するようになった。 親分が相手の犬に噛まれたら、親分が文句言えばいいけど、 売られた喧嘩でも、だっちゃんが、相手の犬を噛んじゃまずいんだって。 犬にはむつかしい理屈だね。 だんだん、だっちゃんも落ち着いて、すれ違う時も、相手の子が、うるさく吠えてても、 「無視!」とか「我慢!」って言われたら、我慢できるようになった。 我慢したら、後で、「いい子だった」って褒められて、おやつ貰えるからね。 でも、吠えてる奴は、まだ我慢出来るけど、相手の子が、ガーガー言ってる時は、 ちょっと難しい。思わず、足が浮きそうになるんだけど。 でも、どうしても、会うと、脅したい奴が、何匹かいるんだ。 だから、なるべく会わないようにしてるんだって。 ちらりと見えたら、急いで、道を変えるんだって。 |
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