犬 の 詫 び 状

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146.おじさん!見た?!
ダニだ!!     某月某日

 「耳の色がちょっと違う所がある?何かついてる?」

毛をかき分けてみたら、

「ん?取れない?

これは?ダニ?ダニが食いついてるの?

ええーっ!!

大変、大変、一大事だ!!
だから、いつも草むらに鼻を突っ込むな、って言ってるのにー!!」、人間が騒いでる。

ダニはまだ血を吸って間がないのか、膨らみは少なかった。
きっと朝の散歩でついて、うっかり見過ごしたダニが、場所を決め本腰いれて吸い始めた、という感じだ。

確か、前にかかってた病院で聞いた取り方は、
「アルコールなんかをダニにたらし、ダニが酔っぱらったところで、ピンセットで取る。」と言う事だった。

家中探したけど、あったのは、燃料用のアルコールだけ。
ダメだ。

試しに、虫除けハーブオイルを爪楊枝に付けて、ダニの口辺りをコショコショしてみた。
虫が嫌って寄りつかない匂いなんだから、ひょっとして逃げるかも。。。?

何度もつつき回しても、がっちり動かない。
ダメだ、

ちょうど夕散歩の時間。
病院で取って貰おう。
いざ、出陣。

で、悲壮感一杯で病院に行ったけど、今日の担当の若い先生が言うには、
「場所が場所だし、このまま自然に落ちるまで待った方がいい。」って。

なんとか取って貰いたい親分は、ダニの取り方の話もしてみたけど、
アルコールでやってもなかなか上手く取れなかったりするんだって・
無理に取ると、あごが残ってそのせいで傷になったり炎症が起きたりするらしい。
酷くなって手術した子もいるんだって。
パンパンに血を吸ったら、離れるから、それが一番確実だから。って。

うーん、でも、見てる時に離れたらいいけど、見てないとこで離れると、
家の中のどっかにダニがいる。。。なんて考えると、けっこうヤダけど。

あまり先生は乗り気じゃない感じだし、んじゃ、しばし待つか。って事になった。
がっかりした親分が気の毒だったのか、
先生は気休めに、消毒用のアルコールをかけてくれた。


で、帰ったら、今日はだっちゃんのシャンプーの日。
禿げだしてから、だっちゃんは頻繁にシャンプーされてるんで、フロントラインをつける機会が無い。
フロントラインを付けると前後数日はシャンプー出来なくなるけど、
それじゃあ、痒くてたまらないだっちゃんはとても持たない。

で、ついつい、フロントラインをしないで来てしまったんだけど。
今まで付かなかったから、と安心してたけど、油断大敵だね。

シャンプーをしないで、今からでもフロントラインを付けるか?
悩んだけど、囓ったり掻いたりしてるだっちゃんを考えると、やっぱりシャンプーはしなきゃ。。。

ダニは汚いに違いない、と考えた親分。
ダニがついている耳を、丁寧に、丁寧に、シャンプーで洗い、シャワーで流した。


寝る時は寝る時で、万が一、ダニが落ちても場所が特定しやすいようにと、
だっちゃんは一室に閉じこめられて、朝を待った。

朝になって、

さて、ダニはパンパンに膨らんだか?

うーん???
膨らんでない???
変わりないよね???

昼を過ぎても、

膨らんでない。。。。
なんか黒くなってきた。。。。
なんでだ???


ひょっとして、昨日、さんざんいじくりまわしたんで、
ダニは死んでしまったんだろうか?

虫除けハーブオイルを付けた爪楊枝でつついた時は、確かに生きてた。
生きて足をゴショゴショ動かしてた。

虫除けハーブオイルを筆頭に、アルコールとシャンプーとシャワーと、
ダニにとっては、過酷な運命で、死んでしまったんだろうか?

と、なると、

死んだダニはどうやって取ったらいいんだろう?
まだしっかりしがみついてるんだけど。


夕方、病院に電話して、どうしたらいいか、聞いてみた。
院長先生が出てくれて、もう取ってもいいって。
死んだなら、その方がいいんだって。
良かった。

早くフロントラインを付けるように。って。
新しいフロントラインはシャンプー後、乾いたらすぐ付けられるんだね、知らなかった。

で、散歩のついでに、新しいヨーチンを買って、
帰ったらいよいよダニ取りだ!と張り切った。


散歩から帰って、ブラシをかけてたら。。。。。
あれ???

ダニがいない。
散歩の途中で確認した時は、確かにまだついていた。
どっかで落っことした?

しつこく探したけど、居ない。

なーんだ、大騒ぎしたわりに、なんか尻切れとんぼの結末になってしまった。
どうも、だっちゃんちは、普通の事が普通に進まない家のようだね。




ネットで調べた正しいダニの取り方。

方法1.

離れるまで待つ。
パンパンに血を吸うと離れるので、それを待つ。

方法2.

クロロフォルム、エーテル、ウォッカなどの度数の高いアルコールをダニに塗って、数分から30分待つ。
ゴム手袋をはめ、ピンセットや毛抜きなどで出来るだけ動物の皮膚に近い部分をはさみ、ゆっくりと引き抜く。
潰すと病原菌を持っている場合感染するので注意。
ダニの体をつまむと、ダニの体液が逆流してしまうので、ダメ。

方法1,方法2、両方とも、その後消毒。


と、いう感じらしい。
けっこう大変なんだ。

「今度は上手くやるぞ!!

てか、ダニはもうつけないぞ!!」、って、人間は言ってるけど。

だっちゃんは、やっぱり草むらに鼻を突っ込んじゃうだろうな。


あちこちいじくりまわされて大変だった。

全く、迷惑だったら。。。ほっといてくれていいのに。

ようやく落ち着いて寝れる。
それならいいんだ     某月某日

 向かいからミニュチュアダックスがやって来た。

ダックスはだっちゃんに、「ワンワンワン!」って吠えた。

飼い主さんが、「ダメ!うるさい!」って言いながら、
ダックスの口吻をつかむと、

ダックスは、「ヒーンヒーンヒーン」、って泣いて、ごめんなさい、してた。

うんうん、叱ってくれるんならいいんだ。
ちゃんと叱ってくれるんなら、吠えられても、やな気はしないよ。

そこで性格の悪いだっちゃんは、ダックスに見せつけるように、

だっちゃんはお利口だよねー?良い子だよねー!
って、大親分の顔を見ながら、さも優等生のようなふりをして通り過ぎた。

またまた、逃げろー!!     某月某日

 最近は涼しい日が続いて、だっちゃんは楽々。
散歩で怒られる事も少ない。

気分良く歩いて、帰り道。
角を曲がったら、親分は急停止!

あっ!!
元祖敵の二匹の犬の片割れ!!すぐそこにいる!!
幸いよそ見してただっちゃんは気づいていない。

もう、片割れは旅だってしまって、残ってる方も年で、今となると、敵でもなんでも無いんだけど。

でも、相手はかなりの年なんで、万が一、だっちゃんが、がうーっ!!って脅したせいで、
心臓麻痺になってしまったとか、
よろけて躓いて足を折ったとか、
そのせいで死んじゃった、なんて事になったら困る。
とっても困る。

と、瞬時に考えた親分、くるりとユーターンして、
だっちゃんを引っ張り、一目散に逃げた。

だっちゃんは、なんだか、後が気になるような気がするんだけど。。。
と思いながら、振り向き、振り向き、走った。

元敵は、足がとっても遅くなってるから、姿を一度も見ることなく、
だっちゃん達は無事に次の角に走り込んだ。
  
理想と現実     某月某日

 だっちゃんが来る前、親分が考える理想の犬は、

「無駄吠えはせず、
犬猫人には友好的とまでは行かなくても、無関心であればいい。
喧嘩を売られても見向きもしないか、睨むだけで黙らせる迫力のある犬。
控えめで忠実、決して出しゃばらず、いつも飼い主に寄り添い、共に生きる犬。」

それって、秋田犬の良いところを全て持ったような犬だよね?
贅沢過ぎるよね。


んで、やって来ただっちゃんはと言うと。。。。

「無駄吠えこそしないけど、
犬は、仲良しの友達とはすっごく仲良いけど、それ以外はどうでもいい、
常に自分は上位であろうとする。
自分から喧嘩を売る事はあまりなくなったけど、売られた喧嘩は決して無視しない。
猫は好き、時々叩いちゃう事もあるけど。
人は、懐いてる人だけ、それ以外は基本的にどうでもいい。
うるさくかまおうとする人は嫌い。

性格は、おだてに乗りやすいお調子者、
気分が盛り上がるとどこまでも行ってしまう。

飼い主のそばに寄り添うどころか、
自分の気が向いた時しか来ないし、

飼い主が撫でようとしても、手を離すなり逃げて行くか、面倒な時は気配を察して最初っから逃げて行くし、
つかず離れず、ある程度の距離を取って、気ままに生きている。
まるで、猫みたいな犬だ。」って言われる。


かなり理想とはかけ離れてしまったけど、
まあ、でも、うちの育て方のせいでこうなったのかもしれないし、
面白いからまあいいか、って。



つかのまの平安。

ちょっかい出されませんように、

何もされませんように。
こんなとこから      某月某日

 歩道がすっごく狭くてガードレールで遮られてる道、
途中で誰かとすれ違う事になるとやっかいなんで、だっちゃん達は車道を通った。

そのうち、向かいからミニュチュアピンシャーがやって来たけど、
ガードレールで遮られてるし、問題無くすれ違えるだろう。

すれ違う瞬間、
ピンシャーはガードレールの下から、シャカシャカシャカ、って、出て来て、(これは予想外だったなー!)

喜色満面、だっちゃんの前にやって来た。
鼻をつき合わせて、挨拶したよ。
  
逃げろー!!     某月某日

 夕散歩の帰り道、公園の脇を通ったら、

なんでか、カラスがギャーギャー、騒いでる。

電線に留まったカラスが、だっちゃん達が歩くのに合わせて移動し、
ギャーギャー、騒ぐ。

何事だろう?と警戒しながら歩いてたら。

子ガラスが歩道の上にうずくまってた!!
これだ!!このせいだ!!

逃げろー!!

大あわての親分、親カラスに攻撃されたらたまらないんで、
顔はカラス達に向けたまま、だっちゃんを思いっきり引っ張って、走って逃げた。

だっちゃんはいつもの街路樹のとこの匂いを嗅ぎたかったんで、
今日はなんで急いで引っ張られてしまうのか、わけがわからず、

やだやだ、まだ匂いを嗅いで無い、あそこの匂いを嗅ぐんだぁー!!

って文句言いながら、引っ張られて走った。


ようやく角を曲がって、やれやれ、助かった。
 



ザックを背負わせられた。

「ぎゃははははー!!」
「似合う、似合う。」
「ちょうどいい、ちょうどいい、今度から背負え。」って。

こんな事して遊ばないで欲しい。
偉いね     某月某日

 だっちゃんの昔の敵の柴犬のHちゃん。
3才上だから、もう15才を過ぎてる。

毎日、毎日、朝も夕方も、散歩してる。
飼い主のおばさんに、引っ張られ、お尻を押され、立ち止まり、お尻を押され、
立ち止まり、お尻を押され、歩いてる。

おばさんは、「歩けなくなったら困るから、何がなんでも公園一周だけは歩いて貰う。」って言ってる。

柴犬は小さいし軽いから、引っ張るのも押すのも力はそんなにいらないとは言え、
体高はそんなに無いから、押すって言っても大変。

ずっとかがんで中腰で押さなきゃならない。
相当腰が痛くなるだろうね。

周りの目も気になっちゃうだろうし、
へたしたら、動物虐待だと思われちゃうかもしれない。
「嫌がってるのに可哀想に、ひどい飼い主だ。」なんて言われるかもしれないもんね。

うちの人間も、「なかなか出来る事じゃないね、毎日、毎日、ほんとに偉いね。」って感心してる。

なんとか歩かせようと努力する飼い主のおばさんも、
それに応えて歩くHちゃんも、

どっちも偉い。

頭が下がるよ。
 
 
楽しきゃいいよね     某月某日

 朝の散歩、同じ年のマラミュートのMちゃんに会った。
暑さにだいぶへばってるとはいえ、Mちゃんもまだまだ元気。

Mちゃんちのおばちゃんが、
「病院で聞いたんだけど、この子達は、70歳くらいなんだって。」って言った。

で、当の70歳のおばあさん達はと言うと、

だっちゃんは、おばちゃん、おばちゃん!って嬉しくて周りを飛び跳ねてるし、
Mちゃんは、撫でてー!ってでへでへしてるし。

どうも、そういう感じじゃないと思う。


確かに若い頃と比べてお尻も落ちて来たし、後足も弱ったけど、
人間だって中年になれば体型が崩れて体力が落ちるんだから。
今の感じ、って50代くらいじゃないだろうか?

最初の1年で18歳になって、
その後、9歳まではは1年に3歳づつ年を取り、
10歳以降は、1年ごとに、4歳、5歳、6歳、って増えて行くと考えたらどうだろう?


そう考えると、

 1歳で、18歳。
 9歳までは、毎年3歳プラスなので、18歳+24歳=42歳。
10歳は、42歳+4歳で、46歳。
11歳は、46歳+5歳で、51歳。
12歳は、51歳+6歳で、57歳。
13歳は、57歳+7歳で、64歳。
14歳は、64歳+8歳で、72歳。
15歳で、72歳+9歳で、81歳。
16歳で、81歳+10歳で、91歳。

それなら、なんとなく納得かも?

大型犬だと、これよりも少しよけいに年がプラスされて行くかな?

まあ、何歳だったとしても、犬はそんな事気にしないし、
楽しきゃいいよね。

年を取るのはしかたない事だけど、出来るだけ遅く、緩やかに年を取って、
楽しく暮らしたいもんね。
 


なんかくれるのー?

どうすればいいんだろう?     某月某日

 だっちゃんが散歩で行く公園には、野良猫がわんさか居るんだけど、
ネコ好き有志によって全員避妊手術されてるんだ。

で、それだけじゃ無くて、プロントラインもして貰ってるんだって!!
おじさんに抱かれて櫛をかけられてるネコも居たりして、
みんなツヤツヤ毛並みがいい。

みんな人懐こくて、犬懐こい。
立ち話なんかしてると、

「にゃー」、って言いながらだっちゃんのそばにも寄って来る。
ふと気配を感じて振り向くと、だっちゃんのお尻の匂いを嗅いでる猫まで居るんだ。

これが犬相手だと、
「無礼者!礼儀知らず!!正面からの挨拶が済んでからだよ!!」って怒るとこだけど、

猫相手にはどうすればいいんだろうね?

だっちゃんも困ってしまうよ。
 
効果は?     某月某日

 なんとか散歩の時に横をしゃかしゃか歩いて欲しい親分、
色々考えてはいる。


その1、なるべく楽しい雰囲気を演出。

だっちゃんが歩かないから、って、いらいらすると、益々だっちゃんは歩かなくなる。
いらついてる人からはなるべく離れていたいもんね。

そこで、楽しそうにかけ声をかけたり、でたらめの歌を歌ったり、
思わずだっちゃんが乗せられて足取り軽くなるように演出する。

♪だっちゃん、だっちゃん、良い子だねー、元気にお散歩、1,2,3,・・・・

誰も居ないと思ってでたらめ歌を歌ってて、庭仕事してる人と目が合った時の気まずさたるや。。。
傍目から見たら、すっごく変な人。

(まあ、気にしない事だよね、だっちゃんは気にしないし。)


その2,豪華おやつ作戦。

普段より豪華なおやつを持参。
それを普段のおやつの何回かに一回出し、今度は豪華なおやつかな?、と、道々、楽しみに歩かせる。

でも、そのうち慣れてしまい、豪華おやつも、いつものおやつ、になってしまうかも。
一時的効果かも。

(うーん、そうかもしれない。)


その3,なるべく普段通らない道を通るようにする。

久しぶりの道だと、張り切り出すので、出来るだけ変化ある散歩コースを組み立てるようにする。

でも、これはこれで問題がある。
普段通らない道には、通らなくなる理由がある。
道幅が極端に狭かったり、歩道があっても歩道が狭くガードレールで車道に出られない、とかで、もし、人や他の犬に行き会ったら歩くのも大変。とか、
敵との遭遇率が異様に高い。とか、
やたらと犬が群れてノーリードで遊んでる公園の横を通らなきゃいけない、とか。

これはこれで、なかなか大変な散歩になる。

(でも、それはそれで楽しいよね?)


その4,なるべく買い物をひんぱんに。

買い物はとっても張り切るだっちゃんだから、これは効果があるのは確実。

とはいえ、毎日は買い物の必要はないし。
片手に買い物袋、もう片手にはだっちゃんのリードとウンチ袋、って感じに歩くのは、なかなか大変だし。
毎日は絶対にイヤだ。

(ええーっ!だっちゃんは毎日でもいいのにな。)


極めつけは、みんな一緒に散歩。

みんな一緒に散歩の時は、だっちゃんはすごく張り切る。
はしゃいで元気にどんどん歩く。
どうにも歩かなくなったら、この手かな?って。

(うん、だっちゃんもそれが一番だと思う!!
みんな一緒なら、張り切って歩くもんね。)

でも、それにしても、それが普通になったら、また振り出しに戻るだろうし。。。

(うーん、名案は無いね。)
 


更にハゲ進行。

お腹、胸、内股、脇、足、毛が無い。
散歩は犬の権利?義務なんじゃあ?      某月某日

 散歩は犬の権利?義務なんじゃないかと思えてくるよ。

だって、暑くて行くたくない日だってあるし、
気分が乗らなくて歩きたくない時だってあるよね。

おまけに毎日の散歩で歩くのは、代わり映えしない同じ街。
そりゃー、少しでも気分が変わるように、ってあちこちコースを考えてくれてるのはわかってるけど。。。

そんな暑くてやる気になれない時は、てれてれ、てれて歩いて、
匂いを嗅いでへばりついたりするわけだけど、
引きはがされて、引きずられて、押されて、

歩け、歩け、急いで歩け、って言われる。
歩くのがイヤなら、さっさと歩いてさっさと帰るよ、って。

だっちゃんは帰りたくないもん。
歩くのはイヤだけど、外に居たいもん。

「散歩は犬の権利だと思えばこそ、せっかく散歩に連れて来てやってるのに、
おまえは感謝の気持ちが無い。そんなんじゃ嫌われるよ。」って言われる。

なんだか、人間につき合って歩くのは、犬の義務のようだね。
 
暑い日は歩きたくないよね      某月某日

 暑くてやる気になれないんで、てれてれてれてれ、歩いた。
引っ張られ引っ張られ、匂いを嗅いでは、引きはがされ、引きはがされ、歩いた。

あんまり歩きたくないだっちゃんは、一旦止まると、なかなか歩き出さない。
匂いを嗅ぐと、引きはがすのが大変。

親分は両手でリードを持って全身の力をこめて、引っ張る。
だっちゃんはだっちゃんで、ふぬぬぬぬーっ、って抵抗する。

抵抗されるとムキになって、なにがなんでも引きはがそうとする親分。
犬相手に本気になる事ないのに。

そのくせ、歩いてて道ばたの匂いが気になった時は、
思わず、だだっ!!って行っちゃうもんだから、ぐえっ!!って喉がなる。

「ちゃんと真面目に歩かないから!」
「こういう時だけすばやく動くんだから。少しは学習しなさい。」って怒られる。

そんな事を繰り返してたら、喉にもろにリードがはまってしまい、
げえー!って、胃液を吐いてしまったんで、

益々嫌われた。
 
おじさん!見た?!      某月某日

 朝の散歩、だっちゃんが大好きなおじさんに会った。
おじさんにじゃれていたら、鳩がまわりにいっぱい。

そこで、だっちゃん、じぃーっ、と狙って、狙って、狙って。。。

「だっちゃん、無理だよ。鳩は飛んでっちゃうよ。」っておじさんが言う。

そんな事ないもん。
だっちゃんは何度も叩いてるもん。

今だっ!!
ダダッ!!ジャンプ、バシュッ!!

鳩は飛び立ったところを、だっちゃんの駄パンチを受け、一瞬落ちかけて飛んでった。

おじさん、見た?!ちゃんと見た?!って、得意になっておじさんを振り返ると、

「おおーっ!!だっちゃんすごいなー!!」
「鳩を叩けるんだ。」って、おじさんが感心してた。

2006/06/14

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