犬 の 詫 び 状

Home Up↑ ←Prev Next→
145.ついに!
食物連鎖?     某月某日

 夕散歩、猫路地に入ったら、

路地の真ん中にスズメが居た。
脇の柵の向こうでは、猫が、じぃーっ、とスズメを狙ってる。

次の瞬間、柵の間から猫がシャッ!!と、スズメに飛びかかった。

反射的に、だっちゃんはダッッ!!バシュッ!!猫に駄パンチ。

フッギャアアーッ!!
バサバサバサーッ!!

猫も雀も逃げてった。

うちの人間は思わず、「スズメ→猫→犬、食物連鎖だ!!」って思ったそうだけど、
違うよね。
だっちゃんはスズメを助けてあげたんだよね。

スズメの恩返し、あるかな?

前足が一部地肌が透けてる

もうちょっとで夏仕様になるんだけど。。。
ここに居たんだー!     某月某日

「だっちゃーん」

ん?窓からだっちゃんを呼ぶ声。

あっ!おばちゃん!

よく道で行き会う度に、声をかけてくれていたおばちゃん。
最近寝たきりではないんだけど、ベッドにいる事が多くなって外に出なくなった。
ベッドは窓際にあって、窓は道路に面してる。
たまたま、窓が開いてて、おばちゃんは外を見てたんだ。

で、だっちゃんが飛びついて、窓枠に前足をかけて中を覗き込んで、
おばちゃん、ここに居たんだー!最近見ないからどうしたのかと思ってたよ。って言ったら、

「挨拶してくれてるんだねー」って、おばちゃんも、すっごく喜んでくれたよ。

うちの人間は、「行儀悪い事して喜んで貰えるんだから、お前はほんとに得なやつだよなー!」って。
 
相性がいいんだ     某月某日

狭い路地を通ってたら、お年寄りが立ち話してた。

すり抜けられるかなー?狭いなー、って思いながら歩いてたら、

おじいさんに声を掛けられた。

だっちゃんはお年寄りにうけるんだ。
立ち耳巻尾の絵に描いたような昔ながらの犬だもんね。
しかもそれなりにでかいし。

だっちゃんもお年寄りは大好き。
お年寄りは穏やかで優しいし、急な動きが無いから安心だし、
ニコニコ声をかけてくれるけど、会うなり無理に触ろうとする人も少ないし。

で、立ち話してるうちに、だっちゃんはおじいさんに懐いてしまったよ。

おばあさんはしば刈りに     某月某日

柴刈りはおじいさんで、おばあさんは洗濯だろうって?

おばあさんが刈るのは、「柴」じゃなくて「芝」なんだ。

最近、冬毛が抜けて抜けて、痒くて痒くてたまらないだっちゃん。
暇にまかせてガチガチガチガチ囓ってる。

で、囓った所は、アンダーコートが無くなって、オーバーコートも妙に短くなって、
一面芝を刈ったようになってしまうんだ。
口が届かないとこはそのままなんで、前足はモヒカンのように一筋残ってたりして。
まるで綺麗に刈り込まれた生け垣のようになってたりするんだ。
芝刈りの後は、丁寧に舐めて毛並みも整える。

なので、
「また、芝刈りしてる!」
「ガチガチガチガチ芝刈り止めろ!」って言われてるんだ。

今年はこの時期になぜか雨が多い。
そろそろ抜け毛の季節だから、痒くなる前にシャンプーしなきゃ、って言いながら、
でも、洗ってすぐ雨が降るのは虚しいし、もうちょっと晴が続く頃にしよう。。。なんて言ってたもんで、
シャンプーが遅れてしまった。

せっせと芝刈りしてるるもんで、うんちは毛まみれで出て来ちゃったり、
時々、ゲーってなっちゃったり、色々顰蹙を買ってる。

酷い時は、足はプードルのようになってたんだ。
足先だけが普通にこんもり冬毛があって、それ以外は薄く細い足になっちゃって。

「どうしても雨だと、長い長い散歩が無くなってしまうのも原因かな?
疲れてないから、退屈して芝刈りするんだ。
やっぱり、もっと散歩で疲れさせないとダメか。」

人間は色々言ってる。

今年もこの時期恒例のハゲになってしまうのかな。

足の付け根が酷い。

今年もハゲ進行中。
違いがわかるんだよ     某月某日

 最近、白身のお刺身は食べなかっただっちゃん。
商店街の魚屋さんや、スーパーの魚売り場で買ったほうぼうのお刺身も食べなかった。

今日、デパートの魚売り場で、ほうぼうをおろして貰って買って来た。
お刺身にして酒の肴に。

さて、だっちゃんは食べるか?
試してみよう!

呼ばれただっちゃん、迷わず、パクっと食べたんで、
「食った!」
「これは食うんだー!なんてやなやつー!!」って騒いでる。

違いがわかる、と言って欲しいね。
 
むう。。。わかってるんだけど。。。     某月某日

 元祖敵の2匹の犬の片割れに会った。

もう片方はつい最近旅立って、残った片割れもかなりの年だし、今となっては敵でもなんでも無いんだけど。
それでも時々、何かの拍子に、ガウーって言いたくなる時がある。

条件反射みたいなもんかな?
意識したら言わないけど、無意識だとつい言っちゃうのかな?

で、だっちゃんが、ガウーって言うなり、

「うるせえ!!」
すかさず大親分に首輪を捕まれ、ごん!
 
二つは無謀だったかな     某月某日

 あんまり暑くなると行けなくなるから、今のうちに、って山に行った。

でも、GWだし、道も混んでいるだろうし、山も人が多いかも。
って事で悩んで、行き帰りが楽で人が居なさそうな山を決めたはいいけど。

コースタイムが短いんで、一つじゃ物足りないかも?
って事で、二つも登ってしまった。

最初は釈迦ヶ岳に登って、どんべい峠に下ってそっから黒岳に登ったんだ。

二つ目の山の登りはけっこう急で、みんな後悔で不機嫌になってしまった。
なのに、現金にも、頂上に着いたとたんに元気を取り戻して、展望台には走って行ったんだから、どうかしてるね。

暑かったけど、今日は久々の頂上に両方とも行けた!
両方とも、綺麗な眺めだった!!

気持ちいい道だったよ。

けっこう急な岩のとこもあった。

一つ目、釈迦ヶ岳の山頂。

二つ目、黒岳の展望台。
勝利だ!     某月某日

 暑くなったり、ぐっと涼しくなったり、忙しい気候。
涼しい日はいいけど、今日みたいに暑い日の散歩はやる気になれないね。

狭い階段をてれてれ上がってたら、向かいからレトリバーを連れたおじさんが降りて来た。
レトリバーはしこたま行儀が悪い。
おじさんの言う事は全く聞かない。
たぶん、連休だから、普段散歩しないおじさんが連れて来たんだね。

だっちゃんを見つけたレトリバーは、ごんごん吠えながらおじさんをひっぱり飛び跳ね、
脇をすり抜けようとした子供にぶち当たり、
怒った子供にサッカーボールをぶつけられ、
制御不能。

階段の巾は1メートルくらいしか無いので、取りあえずよけてよう、と思った親分、
リードを短く持ち、だっちゃんを壁にピッタリ押しつけ、足で確保。
これでいつでも脇を通られても大丈夫だ。

レトリバーを落ち着かせようと、しばし奮闘していたおじさん、
とうとう諦めて、くるり、とUターンして、犬を引っ張り引っ張り、戻って行った。

やつは逃げだした!!

がぜん、張り切るだっちゃん。
さっきまでのやる気の無さはどこへ行ったやら、
だっちゃんの勝利だー!追跡開始!

ってんで、その先の別の階段を降りて行くレトリバーを高い所から見送り、優越感に浸った。
 
新製品だ!     某月某日

 夕散歩で東の肉屋さんに買い物に行った。

行く途中で、問題発生!
なんと、親分は、おやつを忘れてしまったんだ。

ただでさえ、肉屋さんの帰り道は、だっちゃんはてれてれ歩きになる。
肉屋さんまでは走って行くから、お肉をご馳走になると、もう用は済んだ、とばかりにてれてれ歩きになるんだ。
そこで、おやつで騙し騙し、帰る事になるんだけど。

そのおやつが無い。
って、事は、帰り道は相当な難儀だ。
しかも帰り道はけっこう急な上り坂。

困った親分、肉屋さんで帰り道用に何か買うしかない、とショーケースを眺めてたら、

あっ!新製品!しかもスナギモのスモーク!!
これだ!!

さっそく、スナギモのスモークを買って、これだけ封を開けて貰い、他の物とは別にして貰った。

さあ、問題の帰り道。
肉屋さんから少し離れると、親分はもったいぶってスナギモを1個出した。

なんだ?なんだ?と覗き込んだだっちゃん。。。!!!
口に入れて貰ったら、美味しー!!こんな美味しいのあったんだー!!

それからは、超優等生、競技会の犬も目じゃない、って感じに、
ひたすら親分の横にピッタリくっついて、親分の顔にひたすら注目!

だっちゃんお利口でしょ?!お利口だよね?!
また出してくれないかな?そろそろかな?
もう出してくれるかな?

って感じに期待に満ち満ちて、すごい勢いで坂を登り、一度も臭いを嗅ぎに立ち止まりもせず、
すっごい良い子で歩いて帰ったんで、

あまりの効果にあきれかえりつつ、だっちゃんの熱烈な視線に耐えられなくなった親分から、
道々スナギモを5個ゲットした。
だっちゃんは毎日お気楽でいいね。

って言われる。

そうかな?

犬なりに、色々大変なんだけど。
なんだー、病院かー     某月某日

 今日は散歩コースがいつもと違う!

ってんで、張り切って行ったのに。

なんだー、これじゃあ、病院へ行ってしまう。。。。がっかり。。。

狂犬病の予防注射をしなきゃいけないんだって。
なんで犬だけしなきゃいけないのかな?
哺乳類はみんなかかるはずなのに?
猫だって、馬だって、人間だってしたらいいのに。

「もし、狂犬病が流行っても、犬だけはかからなくて済む、って事なんだから、我慢しよう。」って。
そうは言っても、ね。


今日はだっちゃんが大好きな女の先生だった。
先生は、いっぱい褒めてくれるんだ。
なんでも、やって当たり前、なんて思ってるうちの人間と大違い。

自分で診察台に上がるだけで褒めてくれるし、挨拶に顔を舐めたら褒めてくれるし、
注射が終われば褒めてくれるし、

褒められると嬉しくなるし、もっと良い子に出来るよ!ってとこ見せたくなるよね。
うちの人間は、おだてに乗りやすいタイプだって言うけど、

だっちゃんは先生が大好き!
  
ほんとに、あの頃は楽しかったね!      某月某日

 夕散歩で歩いてたら、Eちゃんちのおじさんが自転車で通りかかった。
Eちゃんはだっちゃんの永遠の恋人(犬)。
旅だってから、もう6年以上たつのかな。

おじさんは自転車を止めると、
「おお!だっちゃん、久しぶりだなー!元気そうだね。」って。

だっちゃんも、自転車の荷台に前足をかけて、伸び上がり、
おじさん、おじさん、久しぶりだねー!会えて嬉しいよー!!

って、お互いに大感激して旧交を温めあった。

おじさんは、
「Eが居た頃は楽しかったな。一緒にあちこちいっぱい散歩して、ほんとに楽しかったよな。」って。

だっちゃんも、
うんうん、ほんとに、あの頃は楽しかったねー!いっぱい一緒に散歩したもんねー!

お互いに、話す言葉は違うけど、しっかり通じ合ってたよ。
Eちゃんが居た頃の楽しさ、今居ない寂しさ、しっかり心も通じ合ったよ!
 
久しぶり!     某月某日

 朝の公園で、久しぶりにビーグルのJくんに会った。
Jくんはだっちゃんと同じ年。貴重な友達だ。

黒い所も茶色の所も白くなりかけて、少し太ったかな?
でも、まだまだ元気そうだ。

良かった!
友達はみんな長生きして貰いたいもんね。
 
  
カラス後日談     某月某日

 夕散歩、公園に行った。
公園を抜けて買い物に行くつもりだったんだけど。

入ってしばらくして、親分は気が付いた。

カラス!!!!

どうしよう、カラスは頭がいい、この前叩かれた事を覚えているかも?
襲われるかもー!!

でも、買い物の予定があるので、今更引き返せない。

親分は戦々恐々、カラスが視界に入るたびに、ビクビクしてる。
カラスは執念深いかもね。

今度から帽子を被って来なきゃ、だね。
 
 
また会おうね!     某月某日

 小さな公園でお水を飲みに寄った。
帰ろうとしたら、やって来たおばさん二人連れ。

なんか見た事ある?っと思ったら、いつも朝の散歩で行く公園で、昔はよく会って可愛がって貰ったおばさんだった。
声を掛けられて、思い出しただっちゃん。

おばさん!久しぶりだねー!!
会えて嬉しいよー!!

って、おばさんの手を舐めてくわえて、びよんびよん飛び跳ねて喜んでいたら、
「覚えててくれたんだねー!!いつまでも覚えてるもんだね。」って、おばさんもとっても喜んでくれた。

おばさんちのワンコは、今はみんな旅だってしまったけど、時々は公園に行くんだって。
「また会えればいいね、でも、あんたはぜんぜん変わらないねー!」って。

昔々の事って、忘れないもんだよね。
 
ついに!     某月某日

 朝の散歩、公園の茂みの中にカラスが居た。
カラスは熱心に何かをついばんでいた。

ダダッッ、バシュッッ!!
駄パンチ一発!!

カラスは驚いて、文字通り、飛んで逃げた。

ついにやったぞ!!
カラスを叩いた!!

「カラスは頭がいいから絶対に無理、諦めろ。」、って言われていたカラスを叩いた!!

だっちゃんの気分は大いに盛り上がって、公園を走った。
 
へんなやつ     某月某日

 最近、敵と認識したやつに会った。

そいつはかなり小型のミックスのオスなんだけど、会う度にやたらとぎゃんぎゃん吠える。
吠えるだけじゃなくて、飼い主を引っ張って、どんどんやってくる。

飼い主はけっして足元おぼつかないお年寄りでも、華奢で非力な子供でも無い。
どちらかと言うと、太って健康そうでしっかり力がありそうなのに?

何故?あんな小さな犬に引きずられるままに、ヨロヨロとやって来ちゃうんだろう?
秋駄犬の飼い主なら、どんな小柄な非力な人だって、自分の犬をなにがなんでも押さえようとするし、
どうにも出来なさそうな時は座り込んで、それ以上犬が進めないようにするよね。

しかも、自分の犬を叱りもしない。
一度も叱ってるとこを見た事無いんだ。

会う度に吠えながら向かって来られたら、どんな犬でもそいつの事は嫌いになるよね。
だっちゃんもすっかり嫌いになってしまった。
迎え撃つべく毛を逆立てて、一触即発になるんだ。
そんなだっちゃんを押さえているのは一苦労だし、何かあったらこれまた大変。

だけど、相手の飼い主は、そんな不穏な空気はさっぱり理解してないみたいで?
毎度毎度、よろよろと鼻先までやって来る。

ついに、大親分が切れて、
「押さえろ!ばかやろ!!そんなに非力なら座り込め!!」と怒鳴った。

それ以来、だっちゃんを見ると、逃げて行くようになって、
だっちゃんの散歩は楽になったんだけど。


今朝またそいつに角っこで会った。

そいつは変わらずギャンギャン吠えるし、
だっちゃんはガウーって言うし、
向こうの飼い主は、取りあえず焦って逃げようとはしてるらしいんだけど。。。?


「あー、面倒くせえ!」
大親分は、だっちゃんを担ぎ上げ、あっけにとられてる敵と飼い主を残し、
そのまま帰って来た。
 



この頃は、ふっかふかの冬毛だったのに。

着ぐるみ着てる感じだ。
つまんないね      某月某日

 友達のハスキーくんちに黒ラブが増えた。
ハスキーくんは、だっちゃんが行くと、いつも大歓迎してくれるんだけど。
で、お互いに旧交を温めながら、会わなかった日々を埋めるべく、熱烈に挨拶するわけなんだけど。

なのに、黒ラブはゴンゴンうるさく吠える。
あっちに走り、こっちに走りしながらゴンゴン吠える。

ハスキー君とは仲良しだし、お互いに会うのを楽しみにしてるから、
うちの人間はなんとか黒ラブを手なづ付けようとしてるんだけど、そばに来ないんだからどうしようもない。

そうこうしてると、「うるさい!」、って家の人が出てきて叱ったりするんで、
それもまた可哀想なんで、なかなか行けなくなってしまった。

せっかくの友達だったのにな。
 
なんとも     某月某日

 公園の野良猫とカラスが増えた。

あっちにもこっちにも野良猫が居る。
みんなやたら人慣れして、ゴロゴロゴロゴロ居る。

有志が集まって、みんなに避妊手術をしたんだって。
全員に避妊手術をするのは大変だったらしい。

で、散歩する人達からご飯を貰うわけだけど、
犬の散歩をしながらご飯をやる人もいるんで、犬にもぜんぜん平気。

だっちゃんが臭いを嗅いでいるすぐ側で寝てたり、
しっこした後、ばっばっばっってやったら、土が猫にかかっちゃった、なんて事もしょっちゅうだ。

そんな猫のご飯を狙って、カラスも増えた。
カラスはカラスネットのせいで、ゴミステーションから駆逐されてるからね。

カラスは人が見てると来ない。
よそ見するとすかさず、猫を追い払いご飯を横取りする。
中には果敢に戦いを挑む猫もいるけど、
野良とは言え、充分ご飯を食べている猫はカラスの敵じゃ無いよね。

ある日、猫が何かを銜えてうずくまってた。
何か獲物を見つけたらしい。

早速、カラスに見つかって、横取りしようと狙うカラスの群れに取り囲まれた。

だけど、それは猫にとっても、諦めるにはとっても惜しい獲物だったらしい。
大事そうにくわえて、あっちに逃げたり、こっちに逃げたりするんだけど、

カラスはいっぱいいるし、周りにも上にも、3次元でのカラスの追跡と攻撃に、ついに断念。
諦めて逃げてった。

2006/05/22
Home Up↑ ←Prev Next→