犬 の 詫 び 状

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160.老犬の日々
2009/10/07
老犬の日々

 若い頃は思ってもみなかった老犬の日々。
あちこちで話を聞いてはいても、まだまだ現実の事として考えられなかった頃、
準備や覚悟をしなきゃなー、なんて、漠然と考えてはいたけど、

いざ、老犬になってみると、
当たってる部分もあるけど、
やっぱり大きく違う部分の方が多い。

あちこちで話で聞いても、それはそれ。
犬それぞれに違いがあるから、それぞれの老犬の場合でしかないんだろうね。

やっぱり、なってみなきゃ、わからないもんだわ。
 
10月6日のだっちゃん。
まだまだ元気。

一時ははげてた顔もずいぶん見られるようになった。
以外にせわしなく動く 

 雑誌なんかでよく読んだのは、『 老犬とのゆったり穏やかな暮らし。』っての。

なんとなくイメージとしては、

暖かな日だまりでのんびり眠る老犬、
優しいそよ風がレースのカーテンを揺らし、レース越しに日の光も揺れる、
穏やかな時間がゆっくり流れる中、一日のんびり寝て、
日が陰ったら、ゆっくりのんびり散歩 ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とんでもない!!


少なくともだっちゃんちに限っては、そんなのかけらも無い。(上品さもかけらも無いんだけど)


けっこうガサガサ動き回ってる。

どうしても若い時よりも散歩での運動が少なくなるせいか、
若い時よりも、家の中でガサガサ動く。

あっちへ行ったり、こっちへ移動したり、
冷蔵庫が開く音にすばやく反応してのぞきに行き、
人間が何か食べる時にはすばやくはせ参じ、お相伴し、

ガサガサガサガサ動き回ってる。


相変わらず、嬉しくなるとはしゃぐし、体調が良い時は、まだまだ飛び跳ねる。

「老犬って、もっと大人しく寝てばかりいるもんだと思ったのに。
なんでだっちゃんは相も変わらず落ち着き無く動き回るのかね?」
「お前は老犬なんだ!!ちっとは大人しくしとけ!!」

なんて言われてる。


「邪魔だから。」、って、軽トラの荷台に隔離された。

なんだ、この高さなら平気だわ。
だっちゃんをのけ者にしようたってそうはいかないよ。

この後、なんなく飛び降りた。

「ばかっ!なんて事すんだっ!!怪我したらどうすんだ!!年寄りの冷や水になるぞ!!」人間達はたまげてた。

老犬だからってあなどっちゃいけないよ。一瞬の動きはまだまだ素早い。(9月下旬)
散歩事情 

 老犬になると、散歩は短い距離をゆっくりのんびり、気分転換程度に、
15分くらい?20分くらい?になるのかな、と思ってた。

なんのなんの。

相変わらず、けっこうな距離と時間を歩く。
でも、やっぱり歩くスピードは遅いんで、やたらと時間ばっかりかかる。
のたのた、のたのた、時には転びながら、相変わらずあっちもこっちも行く。

特にだっちゃんの場合、一時動けない期間があったせいで、
散歩でも歩くのがままならない期間があったせいで、
よけいに、動ける事が嬉しい。

嬉しいから、あっちも行きたい。
こっちも行きたい。

一時はぐずってた雨の日も、今はすっかり元通り。
雨にも負けず、台風にも負けず、いつもどおり散歩に行き、いつも通り歩く。


友達が居る庭をのぞき込み、
敵の家のドアをじっと見つめ、
おやつをくれるおばちゃんちの門からのぞき込み、
あっちの茂みに鼻をつっこみ、こっちの電信柱の臭いをかぎ、

あちこち情報収集しながら、
よたよたのたのたながらも、元気に歩く。


倒れてから2ヶ月、ずいぶん元気になった頃。
元通りはさすがに無理だけど、けっこうな距離と時間歩けるようになった頃。


ずいぶん腰は曲がったよ。

(7月13日)
カイカイは益々大変 

 年を取ると、抵抗力が落ちてくるから、感染に弱くなる。
カイカイの犬は要注意だよ。

今までなら、無事に過ごしていたような場合でも、
なんでもなかった事でも、酷く爛れてしまったりする。

動けなかった時期は、しっこに立つ事も出来なかったから、寝たまましっこを漏らしちゃう事になったけど、
それで、お腹や内股が爛れて、濃皮症になってしまった。

子犬の頃、夏のジメジメした時期に、酷い濃皮症になってしまって、とても大変だったけど、
秋になって、だっちゃんも成長して抵抗力が出来て治った、って事があった。

でも、これからは、どんどん抵抗力は落ちるばかり。


病院でも、言われたけど、
毛を生やすのには、余分なエネルギーが必要だから、
年を取ると、なかなか毛を生やす分にまでまわらなくなるらしい。
なので、ハゲたらハゲっぱなし、と言うことになる事も多いんだって。

まあ、仕方ないね。


あんまり細かい事は気にせず、完璧を目指さず、
絶対に治そうなんて事は考えず、

毛が生えるのか先か、寿命が先か、って感じにおおらかにいるのがいいかな?


涙が酷くて痒くて、あちこち擦りつけて目の周りがはげて黒くなってしまった。
鼻の周りも同じくはげて黒くなってる。
痛々しかった頃
(8月30日)


少し毛が生えて、少しはましに見えるようになった頃。
(9月6日)


ずいぶん毛が生えた。目の下はもうほとんどわからない。後は目の上が少しと、鼻の周り。日一日とはげが薄くなるような気がした頃
(9月21日)

あと少し、となってからはなかなかだ。
それでも、見比べるとだいぶ生えてきてるんだ。
後は鼻の周りがもっと生えたら。。。
(10月6日)
老犬トイレ事情 

 若い頃は絶対に家の中でお漏らしする事はなかった犬でも、
老犬になると、思うようにいかない事も多くなる。

ステロイドを服用中は、多飲多尿になるし、
利尿効果の高い野菜を食べた時や、興奮してお水をいっぱい飲んだ時や、
精神的動揺がある時や、低気圧が近づいた時なんかは要注意だ。

うちの人間達は一時、寝る前に短いトイレ散歩に外に出してやろう、と考えた。
でも、だっちゃんは散歩は朝晩、と決めてるから、もう眠たい時間に外に出たくはないし、
それでも無理矢理起こされて一旦外に出たら出たで、
いつもの散歩と同じに歩こうとするんで、あえなく挫折した。

だっちゃんと同じような犬は、今まだ若いから、って安心しないで、
今のうちに、『必ずすぐしっこする場所』ってのを、庭など近くに決めておく事をお薦めするよ。


んで次に、今からでも室内トイレの練習をするか?
とも考えたけど、
でも、そういう問題でも無い。

だっちゃんは自分ではしっかり我慢してるつもりだし、
散歩でトイレをしっかり済ませて帰った直後でも、漏れる時は漏れる。
だっちゃんが知らないうちに、ちょこっと漏れちゃうんだ。
室内トイレがあっても関係ないね。

観察してても、あまり法則性は無いような。。。あるような。。。?
漏れる時は、続けて漏れるし、
漏らさない時は、ずっと漏らさない。
しいて言えば、緊張感無くのんびり過ごしてる時は漏らしやすい。
緊張感ある暮らしでは、漏らさない。かな?


まあでも、今までは一時的にそんな状態になっても、
またすぐ元通りに戻って、全く漏らさなくなり、「やれやれ治った、良かった。」で済んでたんだ。

でも、さすがに15歳、倒れてからは特に、漏らす日が多くなって来た。

敷物は、濡れたら洗えばいいだけだけど、
お天気が悪い日が続くと、そうも言っていられない。
意識してしっこしてるわけじゃないので、怒るわけにもいかない。
だっちゃんはちゃんと我慢してるつもりなんだもんね。

なんとか楽に、と言うことで、

最初はだっちゃんの周りにペットシーツを何枚も敷いたけど、
寝る前に穴掘りしたり、寝返りうったりするたびにぐちゃぐちゃになり、
ペットシーツは隅っこに丸まって、敷物が濡れる、と言うことになる。
ペットシーツ作戦は、動き回る犬には、あんまり向かないね。
それに、あちこち好きに移動する犬にも向かないよ。
ペットシーツを敷いたとこにだけ居るとは限らないもんね。


んで結局、パンツを着用するようになったんだ。

パンツは最初、犬用のパンツを履いたんだけど、高いし、あまり履き心地が良くない。
防水の部分が固いし蒸れるし、お腹や股の擦れる所が爛れてしまう。
ちょっとの間ならまだしも、何日も履くにはダメだ。

次に、人間の幼児用の紙おむつを物色した。
幼児用は肌触りも柔らか、安くていいんだけど、幅もなんとか間に合うんだけど、
股上が短かすぎる。
着用すると、今にも脱げそうな感じに落ち着かない。

んで、最後に人間用のリハビリパンツにたどり着いた。
大人用は幅が大きすぎるだろうし高いし、と思ってたんだけど、
着用してみると、全体にギャザーがたっぶりなんで、なんとかずり落ちないで着用出来る。

股上が深いんで、しっぽの穴を開けても、安心だし、
生地も柔らかいので、お腹や股が爛れる事も無い。
擦れて毛が抜ける事もない。

なかなか良いよ。

もう少し安かったらいいのになー

だっちゃん愛用(?)の、人間用のリフレのリハビリパンツ、Mサイズ。
しっぽの穴を開けて使用。

ゴスロリっぽくて可愛いと言われるんだけど?
薬はもううんざり

 若い頃は、「だっちゃん薬だよ、はい、あーん。」
ポイ、ごっくん。と、おりこうに薬を飲んでただっちゃん。

でも、毎日毎日薬の日々が続くと、もううんざりだ。

無理矢理飲まされそうになったら、がっちり口を閉じて抵抗して、こじ開けられたり、
ご飯に入れられたら、ご飯を食べなかったり、
何かでくるんであっても見えたり臭いがしたら、逃げ出したり、

色々知恵比べ、攻防があったあげく、
『薬は美味しい物でくるむ。』というところで、お互いに手を打ったんだ。

それなら、だっちゃんも我慢して薬を飲むから、
出来るだけ美味しい物でくるむ、って事にした。


だけど、美味しい物って言っても、きちんと薬が見えなくなるくらいにくるめる物はけっこう少ないし、
取り扱いが楽な物、ってなると、もっと少ない。
いきおい、同じ物が続いたりする。

いくら美味しい物とはいえ、いつも同じ物だと飽きてくる。

チーズは好きだけど、毎日毎日バカの一つ覚えじゃあるまいし、
チーズじゃ、もういらないよ。

お魚ももう飽きたよ。いらない。

チーズケーキは好きだけど、毎日食べるほどは好きじゃないよ。

好き嫌いを言い出しただっちゃん。
「犬のくせに、なんて贅沢な!!もう何も食べなくていいっ!!」
人間は怒る。

でも、怒っても薬は飲ませなくちゃいけないんで、困ってる。

「これだから、食べる事に熱心でない犬は嫌だ。」
「犬はなんでも喜んで食べるようじゃなきゃいけない。」って文句言う。

文句言いながらも仕方ないんで、日替わりで美味しい物を考えてるらしい。
最近のだっちゃんの好みはジャンクフード。
でも、滅多に登場しない。
 
まだまだ元気

 だっちゃんが若い頃は、出先で秋田犬に会う事なんて、めーったに無かった。
めーったに、どころか、めーったにめーったにめーったに無かった。

でも、最近はけっこうあちこちで会うようになった。

秋田犬が増えてるわけじゃないだろうから、
単純に犬を連れて出かける人が増えたって事なんだろうけど。


ちょっと前、帰り道の谷川岳PAで休憩して、
あたりをほっつき歩いてたら、

んんっ?!
暗がりにぼんやり浮かぶあのシルエット、あの大きさ!!

秋田犬だ!!


5ヶ月の白秋田犬のメス。
元気で遊びたい盛りで、じゃれかかって来る。
親分はすっかり喜んでなでなで。

飼い主のおじさんも、
「おてんばでおてんばで、」と言いながら、可愛くてしかたない様子。

可愛がられている秋田犬に会うと嬉しいね!


んで、だっちゃんはというと、
若いもんには、まだまだ負けないぞ、ってんで、ガウガウ言ってやったよ。

最近では鷹揚になって、ほとんどの犬にガウガウ言わなくなってただっちゃんだけど、
相手が秋田犬なら話は別だ。
しかも、若い秋田犬なら特にね。

しっかりしめとかなきゃ。

んでも、相手にはあんまり通じてなかったみたいで、
懲りずに喜んで親分に飛びついてるんだ。
これだから、お子様はやだね。
 
お達者クラブ頑張る 

 けっこうな雨の中、散歩に行った。

いつも会う犬達に、今日は誰にも会わない。
やっぱり、雨の日の散歩は、犬も人も億劫なのかな。

と、思ったら、

元気に散歩してるやつが居た。

同い年のMIXのMくん。
飼い主のお兄ちゃんと一緒に、足取り軽く散歩してる。

「こいつも、雨でもぜんぜん関係なしで、
これから仕事に行かなきゃいけないのに、やんなっちゃうよー」
と言いながらも、散歩につき合ってくれるからこその元気さだよね。

やっぱりMくんも、足下がおぼつかなくなっていて、
なんにもないとこで躓いたり、転んだりするんだって。

お互い、寄る年波はしょうがないけど、
最後のその日まで、元気に歩こうね!
 
 
最長老様 

 だっちゃんちの周り一帯で、一番長生きの犬は、18歳の柴のメス。

何ヶ月か前に病気で一時はやばかったけど、見事に復活して、
すっかり痩せてしまったけど、
背骨も腰もすっかり丸まってしまってるけど、
頭はしっかり。

朝晩外に出て、距離はほんの少しだけど散歩して、ちゃんと自力でトイレを済ませる。
毎日店番をしながら、お客さんにも可愛がられてる。

「可愛くて可愛くてねー、少しでも長く居て欲しい。」って言われてる。

みんな最長老様を見習って、頑張らなきゃね。
 
愛想も良いよ 

 最近のだっちゃんは愛想がいい。
たいていの犬と挨拶する。
撫でたい人にも撫でさせてあげる。

いちいち文句言うのも面倒になったからね。

それに、仲良かった犬が次々居なくなった今、
散歩に出て、いろんな犬に会って挨拶するのは、とても楽しみな事だもんね。

あちこちで声をかけて貰うのも、とても楽しみな事なんだ。

んでも、あんまりしつこくされると、やっぱり嫌だよ。
特別の人や犬以外との付き合いは、さらりとさりげなく、だよね。
 
吃驚!! 

 ある日、病院に行ったら、太った柴犬が居た。

8歳のメスの柴だったんだけど、
ころころしてて、可愛いんだ。

んで、体重の話になって、
だっちゃんが22キロだって言ったら、

「ええーっ!うちのと同じ?!
あんた、太りすぎだわー」って。

なんと、その柴犬も、22キロなんだって!!
まさか、だっちゃんよりも二回りも小さい柴犬が同じ体重とは思わないよね。

だっちゃんも若い頃は、28.5キロあったのに、
年々痩せて今では22キロになってしまったんだ。

うちの人間達は、なんとか体重を増やしたい、
増えないまでも、なんとか減らないように、って苦労してるんだけど、
少しでも気を許すと減ってしまう。
んで、「ご飯を食べさせてないみたいだ。」って嘆く。

そんなうちの人間達にとって、太った犬は、とても羨ましいんだ。

2009/10/07

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